急に独立起業することになった話
タイトル通りの話です。
いや、前々から独立しようとは思ってたんですよ。そのために色々調べたり、起業に関するビジネス書読んだりとかね。ただ3日前に決意して、昨日退職を切り出して、6月末で退職して7月頭に独立することになるとは思わなかったって話です。実話です。
ふーん誰?
私は創業約70年の漆器屋の家に生まれました。と言っても不況に巻き込まれ現在は従業員も殆どおらず主に観光客向けの商品で細々とやってるとこです。私が大学在学中に身内が怪我や病気になり売上がたたず穴埋めで入社し現在にいたります。
そんな状況だったため入社時は商材も取引先も殆どないどん底からのスタートでした。その後10数年に渡って現在の主力商品の開発製造や、特産品コンクール向けの商品(賞を幾つか獲りました)に主導的な立場(というかほぼひとりでやった)で携わり、山あり谷ありでなんとかやってきました。そうしているうちに新規で大口の取引先との取引が始まり、さあこれから楽になるぞという矢先、コロナ禍が訪れます。クソっ。
で、なんでまた?
でもそんな人間が何故わざわざ独立?と思われるかもしれませんね。要因は2つあります。
1つは私にはやりたいことがずっとあったからです。私が中学生のころ、つまり20年以上前ですね、父に尋ねたことがありました。「白い塗りのリム付きのお皿を作ってはどうか」と。父からの返答は「塗りの素地は木だよ、木の皿なんか受け入れられないし、白い塗りは変だ」と。現在は木の皿は割とポピュラーでオシャレなイメージがありますが、当時はそうでもなかった、それも地方では特に、と思ってください。そんな原体験から白い塗りの皿を作りたい、という思いがずっとあったのです。
もう1つはコロナ禍によって業績が上がらない間に、マーケティングや販売形式を根本的に見直し業務転換も含めた検討をしていた時のこと、「然るべき商材」さえあればやってみたい手法に行き着いたのですが、会社を巻き込むリスクや、お世話になった取引先に影響を与えるのではないか、と悩んでいたのです。
そんなある日北欧インテリアの新しいスタイルの記事を読んでいたとき、そのスタイルに感銘を覚えた私は、天啓を受けたような気分になりました。
このコンセプトで作ったものこそ「然るべき商材」で、それもあのとき思いついた白い塗りの皿がいいのでは?それも主力商品に行っている、生地を生かした塗り分けの手法を使ったら流行りの木の皿の流れにありいいのでは?とかっちりハマる瞬間がありました。「木のリム皿」「白い塗り」「素地が見える塗り分け」「北欧コンセプト」「販売手法」とビジョンが固まったのです。
で、どうしたの?
終業後ひとりで試作に取り掛かったのが昨年の2月、それから3日でいきなり右手の親指を思いっきり怪我します。1ヶ月は左手で食事してました。おかげで日常業務もストップし、傷が仕事に支障がない程度に癒えた時には山のような業務に追われ、それでも11月の特産品コンクールに向けて試作を再開し、目処が立ちそうな頃、二人目の子どもが生まれます。ここでまたストップです。二人の子どもに恵まれ、なんて私は幸せなんだと思う反面、結局コンクールには間に合いませんでした。今年に入り日常を取り戻しつつある中、商品が動き出し日常業務が元のレベルに戻り、また別注といった業務に忙殺されている間に刻々と時間だけが過ぎていきました。
そんな悶々と過ごしていることをうちの奥さんに相談したところ、「私達家族を大事にするならやりたいようにやっていいよ」と言われ、約半年後の奥さんの育休明けあたりを目処に起業を徐々に準備していたわけです。私は幸せものですね。ありがとう奥さん。
それはわかった、でなんでよ?
それがなんで急に?いい加減言えよってなってますか?すいません、今から話します。
塗りの木のリム皿ってとても珍しいんですよ、しかも私がやりたい形の塗り分けで、ってやってる方探しても全然いないぐらいで「こりゃ今までない商品だしアピールもかなりやりやすいなぁ」とか思ってたわけですよ、ええ。んで3日前ですね、久々にそれでググってみたんですよ、で色んな画像が出てくるのをスクロールしてったらですね、あったんですよ。私のイメージの中にしかないはずの塗り分けリム皿が。。。
2022/03/21 発売開始だったんです。ああああああああああああああああああ2ヶ月前やんけえええええええええええ
しかもその企業、別の商品でなんか総理大臣賞とか取っちゃってるガチのとこだしああああああああああああああああああ
いやでもコンセプトとか違うし、あーでも形一緒だし後発は完全にパクリって言われるやつ、でも去年試作したし、なんなら構想20年以上だしああああああああああああああああああ
そんなわけで慌てて独立起業することになりました。
あと1ヶ月、頑張ります。
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