心の教育というスローガン
2006年の本。岡本薫さんの日本を滅ぼす教育論議。
筆者は、OECD研究員、文部科学省課長などを経験し、在職中にまとめたものです。
古い本なのですが、教育現場で陥りがちな問題を提示してくれています。
心の教育の問題
目的と手段の取り違え
この部分について紹介します。
心の教育と聞くとどんなことが浮かぶでしょうか?
メンタルトレーニング、努力、道徳心、頑張るなど、心に訴えかける教育かと思います。
なんらかの目標を達成するための手段として、好まれているものだといいます。
心の教育に関して、ある小学校でこんな問題が起きたそうです。
給食後の食器の片付けを子どもたちが「きちん」とできていないために、先生が「心の問題」と捉えました。
子ども達に対して、「マナー」や「食器を洗う人の思いやり」とか、「食器さんがかわいそう」などど言うことを連呼し、子どもたちの「心」や「意識」や「モラル」に働きかけたそうです。
しかし、ある職員から、食器を片付ける動線や配置が問題なのでは?とあり、実際に環境を変えると、片付けをスムーズにするようになったそうです。
問題は大人が作っていることは多くあると思います。
実際は問題ないことでも、大人や周りが問題に昇華してしまうことはないでしょうか?
それを気合いだとか、頑張れとか、気持ちだとか、心に訴えかける前に、システムや環境の問題を見つめることが必要なのかなと思いました。
今回は、心の教育についてでした。
今度は、目的や手段についても触れていきます。
では、また。