京都・私設図書館訪問記

1.仕事を休むことになった

2021年。始まると当時に仕事が山のようにふって来た。

といっても、12月決算の会社の経理部で働く身としては想定内のことではある。また、会社は違えど同じようなことをしてきたという自負はあれど、決算が終わってもやれ基幹システム導入、やれメンバーが退職代行を使ってある日突然退職する(あれってなんの前触れもなく連絡だけ来るんだよな・・・)など、気が付けば法定労働時間ギリギリまで働く生活。週末に1回ジムに行ければまだマシ。エニタイムフィットネスの月会費をどうしてくれる、とイライラしているだけならまだマシ、という状態だったのが2021年の前半。後半になると、終わりのない不安感、眠りが浅い、などわかりやすく体調不良が出てきたので、「ええい、休んでやれ。」ということで、10月の後半からお休みをとることにした。

お休みだから・・・ということで関西にある某温泉地で3泊した後に「ついでに」京都を訪問、そこでなんとも味わい深い施設に巡り合ったので、以下その記事です。

2.私設図書館

京都に昼過ぎに到着。駅前のホテルに荷物だけ預けて観光へ。平等院鳳凰堂にのある宇治へ行き、「10円玉だねぇ」と独り言をつぶやいたり、(自分用の)お茶を買ったりした後に、以前訪問した際にその風情が印象的だった銀閣寺へ。拝観後、出た時点で時刻は16時過ぎ。さて、ここからどうするか。次の金閣寺にでも行こうか。でも拝観時間は17時までだし、これから向かってもバスの乗り換えが必要っぽいし、そもそも道もまあまあ混雑してるから間に合わなさそうだな、とバス停に向かうしなに、目の前に「私設図書館」なる建物が。

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この私設図書館、数年前にテレビで見たことはありその存在だけは知っており、いつかは行ってみたいと漠然と思っていたので迷わず中へ。(その存在を知らなかったら、多分入らなかったよ・・・)

まずは受付。カウンター内には英文を読みながら作業をしている女性がおり、利用方法を教えてくれる。といっても、座席表で場所を選んでカードを受け取るだけ。(2021年10月時点、時節柄、席は半分ほど間引きされていました。)なお、コーヒー一杯は無料。基本的に「図書館」といっても、有料自習室のイメージが近い。とはいっても、頭上に本棚が設えられており、小説なども多数あり。

周りを見渡すと、席が間引きされており、平日ということもあり、3割前後の席が埋まっている模様。パソコンで作業している人はほとんどおらず、本を読んでいるか、勉強している人が多いよう。

とにかくその中は「静謐」。普通に生活していて「静謐」という言葉はなかなか使わないし、一人暮らしは「静か」なことはあっても「静謐」ではない。ここでは利用者1人1人が誰にも迷惑をかけず、思い思いのことをやっている、都市の中にある、エアポケットかのよう。(そんな雰囲気だったので、施設内でスマホで写真を撮影するということができるわけもなく・・・。)

私は1時間ほど持参した文庫本を読んで施設を後に。外壁にある紹介文がこちら。

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まさに声に出して読みたい日本語。「せいぜい御利用下さいますように」という一文が染み入る。昭和48年(1973年)なので50年近く前に創られたこんな素敵な施設が維持されている、という点でその歴史に対する敬愛を持たざるを得ないし、この施設を創設した方、(こんな低料金で)運営していただいている方に感謝。

観光施設では決してないが、読書好きなら本1冊を携えて、一度は訪れて損はない施設でしょう。


3.追記

あと、わずかにびっくりしたのが京都の宿泊税。ネットで予約した際に「宿泊税は含まれておりません」と記載があったがものの、「(今回予約した)5000円以下だと課税されないよねー」勝手に思っていた(東京だと1万円以上で課税対象)ところ、京都では2万円未満で200円課税・・・(下限なし)。そうだよね、京都って財政破綻がわりとリアルな話になっているんだよね。そりゃあ観光客から少しでもとらないとね。

ということで今回の記事はここまでです。お読みいただきありがとうございます。ではまた。



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