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医療業界専用のLLMサービス『Hippocratic AI』を徹底調査!|海外AIスタートアップレポ
昨今のAIの発展は、医療業界にも大きな影響力を与えています。
AIの利用により、経費を削減しながら、患者の病状や医療オペレーションを改善するソリューションを提供することで、ヘルスケアビジネスを再構築しています。また、ビジネス的なオペレーションにとどまらず、病気の発見から薬の発見、カスタマイズされた治療法まで、医療の提供自体の変革も牽引しています。
2023年5月中旬、カリフォルニア州パロアルトにあるHippocratic AIは、ヘルスケア専用に作られた安全性に特化したLarge Language Model (LLM)のシード資金として約69億円(5,000万ドル)を調達したと報じられました。
この記事では、未来の医療をAIにって改革・牽引するかもしれない、「Hippocratic AI」について紹介したいと思います!
1. シードで約69億円!Hippocratic AIの調達リリースについて
◎リリース概要
2023年5月に約69億円(5,000万ドル)の調達
ステージ:シード
リードインベスター:General Catalyst, Andreessen Horowitz
プレスリリース:https://techcrunch.com/2023/05/16/hippocratic-is-building-a-large-language-model-for-healthcare/
2. そもそも、「Hippocratic AIとは?」
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2-a. Hippocratic AI概要
Hippocratic AIが提供するコアサービスは、「ヘルスケア用途に特化したテキスト生成モデル」です。
ベンチャーキャピタルであるGeneral Catalystから生まれたスタートアップ企業で、ジョンズ・ホプキンス大学、スタンフォード大学、Google、Nvidiaなどの企業医師、病院管理者、メディケア専門家、AI研究者が集結し設立されました。
「Hippocratic AIは、医療用に特別に設計された、安全性に焦点を当てた初の大規模言語モデル(LLM)を開発しました」と、CEOのMunjal Sha氏はTechCrunchの電子メールインタビューに回答しています。
また、Hippocratic AIのLLMは消費者、つまり医療行為を受ける患者により重点的に配慮した設計になっているようです。
Munjal Sha氏によると、「Hippocratic AIは、医療関連の給付金や請求書の説明、食事のアドバイスや薬のリマインダーの提供、手術前の質問への回答、患者の受け入れ、何も問題がないことを示す「陰性」の検査結果の提供といった使用例を目指している」とも語っています。
以上のように、今後Hippocratic AIが「患者の医療体験に寄り添った」LLMを開発、サービスを展開してくれることに期待です。
2-b. Hippocratic AIのWebサイト
◎公式HP
https://www.linkedin.com/company/hippocratic-ai
2-c. Hippocratic AIの運営会社情報
会社名:Hippocratic AI
創業年:2022年
本拠地:アメリカ、サンフランシスコ
従業員数:約2~10名
著名投資家:General Catalyst, Andreessen Horowitz
2-d. Hippocratic AIの重要メンバー情報
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Munjal Shah
役職:CEO
経歴:Agouron Pharmaceuticals 向けに抗 HIV 薬の効果を予測するソフトウェアを作成して、人工知能の分野でキャリアをスタート。
その後、eBay 販売業者に専用ソフトウェアを提供するAndale Inc.の共同創設者兼CEOを担当したのち、別会社であるLike.comを2004年に創業。
Like.comをGoogleに売却後、エンジェル投資家などの活動を行う。
Hippocratic AIは、Like.comの売却資金を充て、10年間の構想の末創業したとインタビューで回答しています。
3. Hippocratic AIの特徴とは?
3-a. Hippocratic AIの特徴
医療領域向けで、安全重視の大規模言語モデル(LLM)を開発している
医療行為を受ける「患者」に焦点を充てた、toC向けのサービス設計を行なっている
上記でも述べたように、Hippocratic AIは「患者」に焦点を充てたtoC
向けのLLMを展開していると言えます。
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今後、以下の領域でサービスが展開されていくことが期待されます。
医療関連の給付金や請求書の説明など、医療に関わるお金の処理の援助
食事のアドバイスや薬のリマインダーの提供
手術前の質問への回答
患者の受け入れ
「陰性」の検査結果の提供 etc…….
3-b. Hippocratic AIの優位性とは?
Hippocratic AIの優位性に関して、インタビュー等で語っている内容だったり、筆者が感じる部分に関してまとめると、以下が挙げられると思います。
安全性を重視した医療用LLMの設計に注力している
社内に医療領域のスペシャリストを登用し、技術的なLLMの強化学習だけでなく、ヒューマンフィードバックを使用した独自の強化学習プロセス(RLHF-HP)を実施している
創業者兼CEOが多数の起業経験、売却経験を持っている
まず、「安全性を重視した医療用LLMの設計に注力している」ことに関してですが、医療試験で、Hippocratic AIが独自開発しているLLMから出される回答と、GPT-4から得られる回答を比較した際、Hippocratic AIが独自開発しているLLMの方が優位性のある回答をしているとのことです。
Hippocratic AIのLLMは、医療領域において、一般的なGPT-4よりも優れたテキスト生成ができるということになります。
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次に、ヒューマンフィードバックを使用した独自の強化学習プロセスについてです。これは社内では、「RLHF-HP」と呼称しているようです。
Hippocratic AIでは、多数の医療専門家が生成される回答結果が安全であると判断するまで、モデルをリリースしないようにしているよう。
厳重な検品体制を敷いていることが理解することができます。
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4. Hippocratic AIの直近の開発ターゲット
Hippocratic AIのHPに同サービスの直近の開発対象となる医療行為に関して言及が記載されていました。
そのターゲットは「ベッドサイドマナー」のようです。
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ベッドサイドマナーとは、「医療従事者の患者に対する態度と接し方」を指し、この体験の良し悪しが患者の幸福実感と健康状態の質に影響を与えるという研究結果があります。
Hippocratic AIが「思いやり」と「気遣い」のあるやりとりを実現するために、客観的な評価システムを開発に注力しているようです。
今後数ヶ月の間に、ベッドサイドマナーをターゲットとした、最初LLMサービスをリリースする予定です。
5. Hippocratic AIの利用料金
記載なし。
引き続き調査予定。
6. Hippocratic AIの使い方!
記載なし。
引き続き調査予定。
7. この記事のまとめ!
今回の記事で、医療業界向けのtoC LLMスタートアップであるHippocratic AIについて紹介しました。
AIの発展が、徐々に徐々に医療領域に進出していることを感じさせるような内容だったかなと思います。Hippocratic AIは、直近リリース予定のサービスもあるようなので、引き続き動向を追っていきたいなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!