”ゲーム業界特化”の生成系AIサービス『行者AI』を調査してみた!!|海外スタートアップ調査
画像生成AIの「Midjourny」や「Stable Diffusion」、「Novel AI」などが2022年半ば頃から登場し、それらを実用利用する個人や企業が登場し始めたことにより、AI生成コンテンツ(=AIGC)は一気に市民権の獲得を拡大したように見えます。
一方、全領域に汎用的なAIであれば、ある業種や市場では特定の領域に対して「痒みが出るような経験」をユーザーに与える可能性があります。
バーティカルなSaaSが台頭したように、ユーザーのニーズはより「深く」その業種や市場に根ざしていくに違いないと思われます。
そんな中、中国にて話題の”ゲーム分野”に特化した生成AIサービス、
「行者AI」について紹介したいと思います。
同サービスがゲーム分野のどんな課題解決にチャレンジしているのか、調査をまとめてみました。
1.「行者AIとは?」
1-a. 行者AIのサービス概要
行者AIとは、ゲーム業界向けに設計された生成系AIプラットフォームです。
社内で人工知能の研究開発の機構を持ち、それに注力しています。
自社開発AIアルゴリズムによって、バーチャルアバター、コンテンツレビュー、アート、ミュージックなどを生成し、AI技術によるゲーム開発・運営コストの削減を可能にしています。
行者AIがゲームデベロッパー向けに提供している機能は大まかに以下の四つに分類されていおり、それぞれをSaaSサービスの形式で提供しています。
◎行社AIが提供するサービスカテゴリー
上記のように、ただ単にゲームに使用するイラストや音楽を輩出するだけにとどまらず、ゲーム内で利用可能なAIプレイヤーをレベルごとに生成し、さまざまなタイプのゲームでバランスやクリア難易度をゲームシステムのテストが可能なようです。
また、セキュリティに関するアドバイジングも可能なようです。
上記のように、ゲーム領域の構築〜テストまでの工程をフルカバーする可能性がある、ゲーム特化型生成系AIと言えますね。
1-b. 行者AIのWebサイト
◎公式HP
◎Product Hunt
なし
◎SNS
なし
1-c. 行者AIの運営情報
◎運営会社
行者AIの運営元は中国の成都市に拠点を置く、Chengdu Qianqian Artificial Intelligence Technology Co., Ltd.が運営をしています。
会社名:Chengdu Qianqian Artificial Intelligence Technology Co.Ltd.
創業年:2020年
(2016年に同社前進となるXingzhe AI人工知能研究所が発足)本拠地:中国、成都市
従業員数:不明
著名投資家:Innoangel Fund 、UnityVCなど
◎重要運営メンバー
尹学渊(Xueyuan Yin)
役職:CEO
経歴:四川大学コンピューターサイエンス学部を卒業。コンピューター人工知能の博士。2013年にLongyuan Networkを共同設立し、2016年にXingzhe AI人工知能研究所を設立し、2020年にXingzhe AIのCEOを務め、製品技術と日常業務を担当しました。彼は 50 件を超える発明特許を申請し、国内外の雑誌や会議で 30 件以上の論文を発表し、中国国立自然科学財団への申請に成功し、いくつかの国家研究開発プロジェクトを担当しました。「成都ニューエコノミートップ100人材」、成都ソフトウェア産業の「栄北」人材、成都における国家的に影響力のある科学技術イノベーションセンター建設の先進人材のリストに選ばれた経験もある。
2. 行者AIの注目ポイントとは?
2-a. 行者AIの注目ポイント!
以下に、筆者が行者AIに注目する理由を2つ記しました。
◎行者AIの注目ポイント!
ゲーム分野に特化したGPT AIサービスを提供している
HUAWEIと協業し、セキュリティプラットフォームを開発している
2-b. ゲーム分野に特化したGPT AIサービスを提供している
まず、1つ目はゲーム分野に特化しているところです。
ゲームは現時点で、娯楽領域サービス開発において、最も複雑で膨大な資金が掛かると言われており、イラスト、3Dモデル、音響、音楽、キャラクター、動画、レベルデザインなど数十種類のデジタルコンテンツが関わっています。その上、そのタイトル自体が売れるか売れないかはリリースしてみないとわからないといった性質があります。
そのためゲーム領域に対して、それの開発を効率化する生成系モデルを利用したAIGCを当てることは非常に実用的で効果的な打ち手であるし、社会実装が待望されています。実際、中国のとあるゲーム会社ではゲーム原画家の3割が解雇されるなど、AIGCは大規模言語モデルや深層学習、自然言語処理(NLP)などの技術によって急速に進化し、これまでのゲーム制作プロセスを根本から覆すこともできるでしょう。
一方、上記でも挙げたようにゲーム開発は、複雑であるがゆえにゲーム領域独自の課題が生まれることはつきものです。それは、既存の「Stable Diffusion」、「Novel AI」などといった、汎用的な既存のAIGCサービスではカバーしきれない領域です。
その観点で、行者AIゲーム領域に尖らせて、AIGCの磨き込みを掛け、その上でテストAIプレイヤーの生成やゲームのセキュリティをも手がける点で、行者AIの今後のポテンシャルを感じさせます。
2-c. HUAWEIと協業し、セキュリティプラットフォームを開発している
そんな行者AIは、Huawei Cloud社と提携し、ゲーム業界の健全な発展を促進するための「ゲームセキュリティインテリジェンスプラットフォーム」を発表しました。
この発表自体は2022年9月2日にHuawei Cloudと広州ゲーム産業協会が共同で主催する「Game For Game Innovation Forum 2022」が広州で行われました。
このプラットフォームは、Huawei Cloud ModelArtsをベースにWalker AIが構築したワンストップゲームセキュリティソリューションです。インテリジェントで効率的なコンテンツ監査ソリューションを提供可能なようです。
理解しやすいように、特徴をざっくりまとめると以下になります。
◎HUAWEI × 行社AIプラットフォームの特徴
テキスト、画像、音声、動画などのコンテンツ形式と政治、暴力、風俗、広告などの検出タイプをカバーし、より迅速で正確な違反コンテンツの監視と摘発が可能
グローバルで7地域、22言語の多言語違反検出をサポートし、ゲームの海外進出を容易にする
世論監視、世論のホットトピックの多次元分析、世論動向のリアルタイム監視が可能
最新鋭の身体認証などの多次元認証方法の提供し、本人確認などのビジネスニーズに対応し、セキュリティラインの確立を実現
50以上のセキュリティリスクをカバーし、それらの組み合わせにより、セキュリティリスク項目の原因を99.9%の識別精度で検出するソリューションを提供
上記、文字を見ただけですごいと思ってしまうソリューションばかりです。
ゲーム開発および運用に掛かるセキュリティ管理を効率化し、精緻化するソリューションをHUAWAIとともに開発しているということですね。
3. 行者AIの利用料金
HPに記載なし
引き続き調査予定。
4. 行者AIの使い方!
HP等に記載なし
引き続き調査予定。
5. この記事のまとめ!
この記事では、ゲーム領域に特化したAIGCサービスの「行者AI」というサービスについて紹介しました。
改めて、行者AIとは…..
同サービスは、イラスト生成、セキュリティ、音楽制作、AIのテストプレイヤーによるゲームシステムのテストの4つの機能を提供しており、ゲーム領域の構築〜テストまでの工程を、AIによってフルカバーすることができる
Huawei Cloud社と提携し、ゲーム業界の健全な発展を促進するための「ゲームセキュリティインテリジェンスプラットフォーム」を発表し、セキュリティ管理を効率化し、精緻化するソリューションを提供している
上記のトピックが重要な要素だっと思われます!
引き続きAIGCがゲーム領域にどのように手を伸ばしていくのか….より一層気なる!と思わせてくれたサービスでした!