グランタブローで【光る君へ】を読む3
36枚のルノルマンカードを並べる技法グランタブローで、大河ドラマ【光る君へ】の3回目のリーディングを行い、動画を作りました。まひろと道長の今の状況は・・・。タイトル画像がグランタブローを開いた結果です。
動画のリンクとナレーション原稿を掲載します。
【動画再生時間:9分39秒】
ナレーションテキスト
こんにちは ルノルマンカードを読むひと、織瑛です。
本日は 三回目となりますが大河ドラマ「光る君へ」をテーマに、36枚のカードを並べるグランタブローで読んでいこうと思います。
一回目のまひろと道長のグランタブローは5月31日に切って、今回は2024年8月5日に切りました。第三十話「つながる言の葉」を観終わった後です。
グランタブローの結果を図にしたものがこちらです。
黄色のカードに注目して読んでいきます。
淑女のカードがまひろ、紳士のカードが道長です。
このカードの紳士は髭があって、今の道長の雰囲気にぴったりだと思いました。このフランスのルノルマンカードは一枚一枚がおしゃれで抒情的です。
まひろが見ている物語
淑女のカードがまひろです。
まひろが見ているのは手紙のカード。すごいこの位置。手紙は物語を書くことを現わしていますね。
手紙の下には蛇。知性と賢さを持って書かれる物語です。
まひろの後ろ、未来を現わす右には棺のカード。その下に百合があります。
棺の中には百合が入っています。
まひろが見ているのは「手紙=物語」ですが、これから棺のフタを開け、
その中に隠されている百合を取り出さなければならなくなる。
百合はセクシャリティ。源氏物語をイメージさせます。源氏物語には性愛も描かれていますから。
この百合のカードの下に家のカードがあります。
「上に百合のある家」というのは、なかなか出ないです。
その家が由緒のある家だということを、日本が知っている、歴史が知っている、というレベルなんですよ。日本史の教科書に出てくるような人物を生んだ家というレベルです。
そうなると、この家は朝廷です。
「棺の中の百合」には朝廷が関わっている。そういう物語。
まひろの下にはコウノトリのカードがあります。
まひろは今、新たな旅に出ようとしています。最初のグランタブローでは、まひろが父と越前に旅立ったときだったので、まひろの下には船のカードがありました。まさに船に乗っているという絵でした。
コウノトリも旅や引っ越しを示しますが、世界の広がり方が、船よりもっと内側な感じ、まひろの内面的な旅、変容として表れているように見えます。
*2024/8/26 追記「誰がために書く」放映後に気づいたこと
「コウノトリ」は「まひろが中宮彰子の女房として内裏に引っ越す」ことを指していたかもしれないです。「船」と比べて「コウノトリ」は距離的な近さも示します。
まひろの仕事は?
つぎは錨のカードです。錨は仕事・義務ですね。
錨の上に船のカード。まひろの仕事の世界が大きく広がる。
錨の左にライダーのカードがあるから、仕事の依頼者がやってくる。
ライダーの上には山のカード。難しい仕事、難題を使者は携えてきますね。
船の右に、まひろが見ている手紙=物語のカードと蛇のカードにつながっていますから、まひろの賢さを活かした物語を書くことが、仕事となっていきます。
錨の左下には本のカード。この本のカードの絵、本を広げて見せている絵なので、読者となる誰かがいて、物語を読ませてあげよう、という雰囲気です。
本の右、錨の下には鳥のカード。鳥は誰かといっしょに話す、声を出すイメージなので誰かに物語を読んで聞かせるみたいなイメージです。
鳥の右には「鎌」のカードです。
この鎌は、下にあるハートと関連しています。この錨=仕事は、恋愛感情を切るようなことの上に成り立っているかもしれません。
道長の状況は
紳士のカードが道長です。道長は、どんなようすでしょうか。
太陽のカードが上にあります。太陽は社会的な成功。左大臣なのでその通りですね。太陽の左に魚があります。お金と読みます。お金もちでえらい人ですね。太陽の右には鞭。左大臣の職務をまっとうするために鞭打って耐えている感じです。
道長が見ているのは犬。友達や部下ですね。まひろが物語を書いているという情報をくれた藤原公任(きんとう)や、鞭をふるっているイメージの陰の助言者、阿倍晴明を現わしているのかもしれません。
ふたつに割かれるハート
まひろと道長の恋愛の状況はどうでしょうか。
1回目のグランタブローではまひろと道長の位置が近い上に、道長の隣にハートのカードが出ていて、ふたりの恋愛は親密な雰囲気がありました。
今回は、まひろと道長の視線はお互いを向いていますが、まひろは一段目、道長は五段目と距離があります。
ハートをとりまくカードもどちらかといえば苦しそうな雰囲気。
ハートの上には鎌のカード、下にはネズミのカード。
この鎌のカードは人物がふたつに切り裂かれているような絵柄。
恋愛の状況が二方向に割かれているような感じです。
ハートの右側の列は、庭と塔。朝廷の中のサロン、社交事のようですね。
道長が悩んでいる、娘・彰子の藤壺のこと、一条天皇の愛情がなかなか得られない問題を指すかもしれません。
左側の列は鳥・星・花束と、とてもロマンチックな雰囲気なんですが。
久しぶりにまひろと道長が、おしゃべりデートができるということでしょうか。
月は彰子
月のカードが気になりました。月は中宮となった彰子ではないでしょうか。
月の上には樹のカード。今、成長している・育っている人です。
月の左には熊のカード。厳しい両親で実力者だから、彰子の父・道長と母・倫子ですね。熊がぴったりついている。
月の下にはキツネのカード。光る君への二回目のグランタブローで中宮定子と一条天皇を読んだとき、定子の左上にもキツネのカードがありました。定子のほうが人目に触れる目立つ位置でしたね。
ヘアメイクなど自分の外面を盛ること、目に見える形で他者を欺く賢さがキツネのカードに現れているとしたら。
このグランタブローの月=彰子の下の位置にあるキツネは、まだ表に現れていないが彰子がその才能を秘めているということになります。
リセットされるまひろ、初挑戦が続く道長
まひろの位置は、グランタブローの右上です。
一列目のまひろの頭の上には、何もありません。
これは、まひろが「何者であるのか」がリセット中ということです。
右上にいるまひろの視線は左を見ているので、まひろは今まで自分が歩んできた道や出来事や想い、すべてを見ています。そのすべてを使って、まひろはこれから棺の中の百合をつかみとることをする。
道長は五列目の一番左。まひろと対照的な位置ですね。
一回目のグランタブローの道長も五列目でした。一回目も今回も、道長の足元には何もない。道長は、自分が経験したことのない、やったことのないことを次々とやっていかなくてはならない。
まだその状況にあります。
以上「光る君へ」をテーマに三回目のグランタブローを読んでみました。
またドラマが進んだら、グランタブローを読んでみたいと思います。
ご視聴ありがとうございました。