映画<プリシラ>~所有される者の孤独~
ソフィア・コッポラの作品には醜いものが出てこない。
美しい俳優たち、風景、建物、さまざまな愛らしい色彩のアイテム。そんな世界の中にいる主人公は、ふんわりした孤独に包まれている。
「孤独」まで透明感のあるキャンディカラーな感じで。
そして、ソフィア作品に幾度も登場する、限定された空間に閉じこめられるヒロイン。
そこから出ていこうと思えば出ていけるかもしれない。
でもそこはあまりにも美しく心地の良い空間だから、出ていく必要もない…。
ましてそこは、夢のような初恋の相手の手の内にあ