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グランタブローで【極悪女王】を読む

36枚のカードを並べるルノルマンカードのグランタブローで、NetFlix配信ドラマ【極悪女王】をテーマに読みました。
タイトル画像がグランタブローの全体図です。
動画へのリンクとナレーションテキストを掲載します。
【動画再生時間:8分21秒】

ナレーションテキスト

こんにちは、ルノルマンカードを読むひと、織瑛です。
本日はNetFlixオリジナルドラマ【極悪女王】を36枚のカードを並べるグランタブローで読んでいきます。
1980年代の女子プロレスを舞台にした、松本香からダンプ松本が誕生するまでのドラマには、自分もリングを取り巻く観客の一人になったかのように画面に喰いついて見てしまう迫力がありました。

グランタブローを図にしたものがこちらです。
黄色のカードに注目して読んでいきます。
ダンプ松本と長与千種のふたりのヒロインをメインに浮世絵スタイル・ルノルマンカードの淑女のカードを2枚使います。
どちらの淑女がどちらに当たるのかは、カードの出方で判断します。

封印された松本香

二枚の淑女のカードはぴったりと横に並びました。
まさに女子プロレスの対戦のようですね。
頭の上にネズミがある淑女。これをヒール役、ダンプ松本と見ます。
ネズミの左には鞭。これは凶器のことかも。
鞭の下に犬。犬は仲間や友人なので、凶器を持ったヒールの相棒、クレーン・ユウやブル中野っぽいです。犬の下に太陽。公的な、会社によって作られたヒール役であることの現れです。
ダンプ松本の下には棺があります。
棺の中にあるのは、封印された松本香なのかもしれません。
もうひとりの、頭の上に山がある淑女。これを長与千種とみます。
ベビーフェイスの役回りのプロレスラーたちが、ヒールから凶器で頭を攻撃されて流血するシーンが何度も描かれます。
頭に負荷を受ける姿と、女子プロレスのアイドルであることの責任と重圧の両方が現れているように思えました。
長与千種の右には上から鍵、星、道のカードが並びます。
星と道でアイドル路線を歩む。星の上に鍵があるので、長与千種という存在は、女子プロレスのアイドルになることが鍵だったと読みました。
長与千種の下には塔のカード。塔は勤務先の会社と見ると、所属する「全日本女子プロレス」によって作られた女子プロレスラーであると読みます。

船の上にある会社は棺を積んでいる

勤め先の会社を示す「塔」のカードを見てみます。
全日本女子プロレスのことを指しますね。
塔の上には淑女がふたり。対戦する女子プロレスラーが上にある。まさに女子プロレスを看板とする会社ですね。
塔の左には棺。棺の下にはキツネ。疑似的な死者、死者を出すような演出をすると見ました。
キツネというカードは、リング上の勝ち負けをブックすることも現わしているのかもしれません。
リング上の血みどろの戦いは死者が出るかのような勢いで、それが興行、見世物となります。
塔の下には船。船は国際的な、世界中が市場となるという意味とも読めますが、私は文字通り、船の上にあるような会社と読む気がしました。
一か所にとどまらず、さまざまな場所を巡業して、女子プロレスの興行をする姿は、船の上にのって旅をしているような会社ではないでしょうか。
塔の右は上から星、道、家。星は淑女の右にありますから、スターとなるアイドルレスラーを作るポリシーを持つ。
家は、松永四兄弟という家族経営の会社であるということでしょうか。女子プロレスラーたちが寮生活で家族のように同じ建物で生活をしていることも示しているのかもしれません。
棺と塔の二枚のカードは、このグランタブロー全体の中心の二枚です。
「極悪女王」は、棺とともにある会社、命がけの見世物を興行する会社の物語が中心にあります。

女子プロレスにささげる愛

「極悪女王」は、女子プロレスという世界に魅了される女子たち、観客たち、興行者たちの女子プロレスへの強烈な愛も印象的でした。
その愛情と、女子プロレスの持つ魅力はどういうものなのかをハートのカードで見てみます。
ハートの上には花束があります。花束を贈られるような、賞賛されることが魅力なのが女子プロレスラーなのかもしれません。
花束の上には熊。賞賛されるのは強さです。熊の右には樹。身体・健康とみて、身体的な強さですね。
花束の右には百合。この百合はチャンピオンベルトでしょうか。
ハートの右には月、その下にコウノトリ。月は大衆や人気、コウノトリは旅のように移動していくと読んで、旅先、巡業先の観客を掴んでいく人気商売のようなことでしょうか。
ハートの下には鎌があります。鎌が切り分けているのは、右のコウノトリ、左の家、ですね。
家は故郷や親、コウノトリは故郷からの旅立ちを連想させました。
「極悪女王」では、松本香や長与千種が家族や故郷を切り離したエピソードが描かれます。それが女子プロレスラーの道へ進む切符であるかのような、必要な別離であったように思わせます。

子どもは香

子どものカードが気になりました。
ダンプ松本、松本香の子どもの頃を物語っているように見えました。
子どもは一番上の列、頭の上に何もない状態です。これから何者になるのか、わからない寄る辺のない状態です。
子どもの右には鞭。ハードな環境を思わせます。
左には本。本は秘密ととらえて、この子どもは秘密、秘めた思いがありました。この本のカードの絵柄は猫が本を読んでいるかのような絵柄です。子どもは自分の秘めた思いを読むことができた、自覚していたと見ます。
子どもの下には庭。これは家の中ではなく、家の外のほうが居場所があったと読めます。
庭の右には犬。そこには友達がいました。香が偶然、トレーニング中のデビュー前のジャッキー佐藤を目にし、ファンになって他のファンと共に、観戦に通い推し活動をしている香の姿を思わせます。
庭の左には騎手、ライダー。ライダーの下には仕事を示す錨のカード。仕事につながる人物との出会いもありました。香が女子プロレス観戦のときに寄っていた焼きそばの屋台にいたのが全日本女プロレスの社長だったこと、
社長がオーディションを受けることに迷っていた香を後押ししたシーンを思わせます。

以上「極悪女王」をテーマにグランタブローを読んでみました。
あまりの迫力あるシーンに、画面ににじり寄って見ている自分に、はっと気がつく、そんなドラマは久しぶりでした。

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