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グランタブローで【地面師たち】を読む

Netflix配信ドラマ「地面師たち」をテーマに、36枚のカードを並べるグランタブローを読んだ動画を作成しました。グランタブローを図にしたものがタイトル画像です。
下記に動画リンクとナレーションテキストを掲載します。
【動画再生時間:9分53秒】

ナレーションテキスト


こんにちは ルノルマンカードを読むひと、織瑛です。
本日は Netflix配信ドラマ「地面師たち」をテーマに、36枚のカードを並べるグランタブローで読んでいこうと思います。
シーズン1・全7話を見始めたら一気見、寝不足、疲労、という知り合いが複数いまして、私自身もそうなりました。
グランタブローの結果を図にしたものがこちら(タイトル画像)です。
黄色のカードに注目して読んでいきます。
綾野 剛演じる辻本 拓海と豊川悦司演じる地面師グループのリーダー・ハリソン 山中のW主役のようなドラマなので、紳士のカードを二枚使います。
こちらの浮世絵スタイル・ルノルマンカードは「笑うマトリョーシカ」でも使ったカードで、淑女と紳士のカードの他に、ユニセックスな雰囲気の人物カードが1枚作られています。紳士のカードを辻本拓海、顔の見えないユニセックスな人物のカードを謎多き人物ハリソン・山中とします。

ハリソン山中の上に現れた十字架


ハリソン山中は、地面師のチームの中でも辻本拓海には特別な感情を持っている気配がありました。それを反映しているのか、ふたりの紳士の距離はとても近いです。
そして「笑うマトリョーシカ」の清家一郎の頭の上に何が出るのかが楽しみだったように、ハリソン山中の頭の上も、いったい何のカードが出るんだろう?と楽しみだったんです。
十字架でした。
逃れられない宿命や罪を持った人と見ます。
ドラマの中で犯罪に手は染めているので罪を持っているのは確かですが、ハリソンが地面師になるまでの過去は明らかにされていません。
ハリソンの左側、過去の位置には、魚とクローバーがあります。
魚をお金か自由かどちらで解釈するかですが、自由と解釈しました。
この魚は一匹だけで泳ぎ、下に幼さを現わすクローバーがあるので、ハリソンは幼いころに自由にひとりで生きることを選ばなければならなかった過去を持っているのではないでしょうか。
ハリソンの下には何もありません。安定がなく綱渡りのように歩いていく人生を思わせます。
右側、未来を示す位置のカードはネズミ。
悪事を手掛けつづける未来に進むことを決めているかのようです。

月の下にいる拓海


もうひとりの紳士、拓海を見ますと。
ハリソンの右斜め上に拓海がいますので、十字架とネズミのカードをハリソンと共有していますね。このふたりのつながりは十字架(逃れられない罪と宿命)とネズミ(悪事)となるのでしょう。
ハリソンは影に潜んで指示するリーダー、拓海は現場に出る交渉役なので、拓海のほうが現実的な世界の中で生きているようすがあります。
頭の上には月。月は闇の中で輝き、満ち欠けをするので不安定さがあります。社会の中でそういう仕事をしている人物というイメージになります。
月の右に仕事を示す錨のカード、左にライダーのカード。足を使って、不安定な仕事を着実にこなしています。
拓海が見ている右側のカードは鍵です。かつて地面師に騙された拓海の父の事件を解明する鍵を探していたことを示しているのかもしれません。

ネズミが染みわたっていく


ネズミのカードが気になりました。ネズミの下には犬がいます。これは地面師チームのメンバーたちですね。
犬の右に百合、ブランド的なもの。文書偽造が出来る司法書士のような国家資格レベルの知識を持つようなメンバーたちでしたから。
百合の上、ネズミの横に本のカードがあります。
この本のカードは猫が本を読んでいるような絵柄です。左のネズミが本をかじるような悪さをしていないか猫がチェックをしているような雰囲気ですね。地面師チームが詐欺相手に偽造書類をチェックされる攻防のシーンを思いおこさせます。
ハリソンも拓海もネズミのカードに触れる位置にありましたから、このネズミは地面師チームの中心にあり、地面師チームを象徴する一枚として現れたのが印象的でした。

詐欺という仕事


錨のカードが面白かったです。
「地面師たち」というドラマは大きくとらえると、仕事のドラマだと思います。地面師たちや不動産デベロッパーたちの、仕事に関する知識、有能さ、大胆さ、人間力がこのドラマの華ではないでしょうか。
錨のカードの上に出ているのはキツネです。
詐欺が仕事であることを示す場合、選ばれてくるのはキツネ一択なんだなあ、と思いました。
キツネの左にはコウノトリ。このキツネは居場所をどんどん変えます。
キツネの右には庭のカード。山奥ではなく、人々に会う、人々の暮らしのそばにいるキツネです。
そして、錨のカードは右に太陽、左に月、と対照的なカードに挟まれています。
私は、太陽が石洋ハウス、月が地面師チームを現わしているのではないかと思いました。太陽(光)のもとで仕事をする石洋ハウス、月(闇)の下で仕事をする地面師たちの、仕事の上での対峙、対立、駆け引きのドラマであるとグランタブローが示してきたように思います。

土地を刈る死神


次は鎌のカードです。鎌のカードの出方もとても面白かったです。
「笑うマトリョーシカ」のときも鎌のカードが効果的な位置に出ましたが、今回の出方も強烈。
この鎌のカードは死神の絵柄です。鎌をかついだ死神がまっすぐ見ているのは右下、家のカードです。家は不動産を現わしていますね。他にも鎌の右には山のカード、下には道のカードがあります。家、山、道は、土地を現わすためのカードとして鎌の周囲に集められてきた気がします。
また、鎌のカードはこのグランタブローのほぼ中心に位置しています。
ドラマ「地面師たち」の世界を一枚で現わす象徴のカードが「鎌を持つ死神」なのかもしれません。

詐欺にかけられる石洋ハウス


次は塔のカードです。塔は会社と見て、石洋ハウスであると思いました。
塔の上には樹のカード。老舗で健全な会社です。塔の下には指輪、契約のカードがあります。
この指輪のカードに対して舌なめずりをしているような狡猾なようすの蛇のカードが左にありますね。この蛇は手紙を持ってきます。下にある手紙のカード。手紙の右には花束のカードがあります。指輪を得るために蛇がもってくる美しく完璧な書類は、じつは偽造書類です。
塔のカードはグランタブローの一番右の列、未来のない位置にあります。
石洋ハウスは、未来を失う状況に追い詰められることが現れているように思えます。

女性住職、菜摘の姿も


これで気になるカードを読み終えたと思ったところで、子どものカードが気になりました。
この子どもの絵を見ていると、詐欺の目的となった土地の地主、女性住職 川井菜摘なのではないか?と思ったのです。
子どものカードの上に鞭のカードがありますが、このカードの鞭の絵柄は、ほうきです。ほうきの左には庭のカード。毎日、寺の境内をほうきではいていた菜摘の姿にイメージが重なりました。下に山がありますから、この子どもは土地の地主であるということを示しているとも見れます。
そして子どもの右側にはハートと熊。
地面師たちのドラマの中で、大変強烈な愛情表現を担っていたのは、まちがいなく菜摘でした。
紳士のカードを二枚使ったので、淑女のカードを使えなかったのですが、それでも別のカードを借りて登場人物を現わしてくることがあるんですね、グランタブローは。語らなくてはいけない無視してはいけない登場人物であったということです。

以上「地面師たち」をテーマにグランタブローを読んでみました。
シーズン2が作成される可能性は濃厚ですね。楽しみです。

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