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Tiny Tim / God Bless Tiny Tim
私のハンドルネームは、尊敬するTiny Timからのもじりなのですが、巨漢の彼が小さなウクレレを抱えている姿は、何ともユーモラス。それでいて、40年代以降にラジオで流れたヒット曲はすべて歌えることから、「人間ジュークボックス」の異名をもつ、おそるべきミュージシャンでもありました。
そんな彼のファーストアルバムが『God Bless Tiny Tim』
初めて聴いたのは、たしか大学生の頃(CD化される前なので中古レコード)だったと思いますが、とにかく、特徴的なファルセットボイスは、一度聴くと、まず忘れません。最大のヒットとなったのがこの曲。
そして、その声を利用して、1人で男女デュエットをするという荒業もこなしてくれます。Sonny & Cherの「I Got You Babe」がこんな感じに。
彼が登場した60年代後半といえば、ヒッピー・ムーブメントの真っ只中。そんな時代だったので、彼のようなちょっと風変わりなミュージシャンが、時代の寵児として、若者たちから熱狂的に支持を受けたのだと思います。
68年の映画『You Are What You Eat』にも彼は登場し、ファンが熱狂的な声援を上げる中で、ロネッツの「Be My Baby」を歌っています。
なんですが...
失神しそうになりながら声援を送るファンの映像は、どう見てもビートルズのコンサート映像から編集してつなぎ合わせているようにしか見えないんですよね。(その動画、以前はYouTubeにあったんですが、今は無いようです。残念。)
まあ、そんな「何でもあり」の時代だったのでしょう。
そんなTiny Timですが、70年代になるとショービジネスの表舞台から姿を消します。いろいろと理由はあったようですが、ある時代の象徴的な存在は、いざその時代が終わると、急に「時代遅れ」になってしまうのが宿命なのでしょう。
ただ、その後も活動を続け、アルバムを発表したりライブをやったりして、コアなファンを楽しませてくれました。
ちなみにTiny Timは亡くなる前年に3度目の結婚をしますが、お相手は27年来(!)の彼のファンだったとか。ちょっとほっこりするエピソードです。
Tiny Timが亡くなった1996年には、Brave Comboとの共作アルバム『Girl』を発表。このアルバムだけは、私、リアルタイムで聴きました。(ちなみにタイトル曲はビートルズのカバー)
このアルバム、Brave Comboの演奏が素晴らしく、地味ですが飽きのこない良い作品だと思います。スタンダードの「Bye Bye Blackbird」が、軽快なポルカ調にお色直しされています。
その他のTiny Timの作品としては、子供向けの曲を集めた『For All My Little Friends』も有名で、グラミー賞にノミネートされています。
こういう「非メインストリーム」音楽(ある意味、究極のオルタナ⁉)にご興味のある方は、ぜひご一聴を!