364: The Beatles / She's Leaving Home

ジ・アップルジャックス「ライク・ドリーマーズ・ドゥ」のプロデューサーはマイク・リーンダー(「リアンダー」とする表記もあり)。
彼は、3年後、ひょんなことから、ビートルズと仕事をすることになります。
アルバム『サージェント・ペパーズ』制作時、この曲の作者、ポール・マッカートニーは、プロデューサーのジョージ・マーティンに、ストリングス・アレンジを依頼しますが、他の仕事を多く抱えていたマーティンは、「ちょっと待ってくれ」と答えます。
待てないポールは、勝手にマイク・リーンダーに連絡を取り、この曲のアレンジを依頼し、彼のアレンジが採用されることとなります。
これが、ビートルズの作品でジョージ・マーティン以外がストリングス・アレンジを行った唯一の例となります(後からオーヴァーダブされた『レット・イット・ビー』は除く)。
偉いのはマーティンで、こういうひどい仕打ちを受けたにもかかわらず、この曲のストリングス・パートのレコーディングでは、プロデューサーとして場を仕切っています。まさに英国紳士らしい、大人の対応です。
リーンダーがアレンジしたこのヴァージョン、ハープが印象的ではあるのですが、正直ビートルズらしくないという風にも感じます。
もしジョージ・マーティンがアレンジしていたらどうなったのか、ないものねだりとは分かっていても、聴いてみたいと思わずにはいられません。

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