267: The Rolling Stones / Gimme Shelter

ピンク・フロイド「虚空のスキャット」のように、男性ロック・グループで、ゲストの女性シンガーがリード・ヴォーカルを取った曲と言えば、ストーンズのこの曲を外すわけにはいきません。
1969年にリリースされたアルバム『レット・イット・ブリード』のオープニング・ナンバーで、ミック・ジャガーとともにリード・ヴォーカルを取ったのは、ソウル/ゴスペル・シンガーのメリー・クレイトンでした。
メリー・クレイトンのソウルフルなヴォーカルは迫力十分で、ミックを圧倒せんばかりの勢いです。
この曲、歌詞が何とも陰鬱ですが、背景にはベトナム戦争の影響があったと言われています。
戦場の映像がTVで流され続いていた時代。すべての話題がウイルスに支配されているこの2年弱と共通する面があるのかも知れません。
このアルバムの録音中に、ブライアン・ジョーンズが脱退し、ミック・テイラーが加入したということもあり、この曲でギターを弾いているのはキース・リチャーズ1人です。
この曲に始まり「無情の世界」に終わるこのアルバムは、曲のヴァラエティも豊かで、個人的にはストーンズの最高傑作だと思っています。
ま、『ベガーズ・バンケット』から『メインストリートのならず者』までは、どれも甲乙つけがたいですけど。

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