アマチュア映画に足りないもの:庵野秀明の自主制作版ウルトラマン
今日も一日、楽しくありますように。
庵野秀明の自主制作版「ウルトラマン」を視聴しました。
庵野秀明の紹介情報では、よく当作品のクリップ(情報)もさしはさまれることが多く、興味があったので。
わたしは視てけっこう驚きました。
特撮のシーンや当時のコンピューターの作成動画など、かなり本格的だったためです。
怪獣のきぐるみ、基地内のセット、町や戦闘機のミニチュア、特に爆発のシーンなど、予想よりはるかにプロ並みであり、ただのアマチュアのレベルではないものです。
(もちろん、特撮映像をよく見ている方や詳しい方とは見方がちがうかもしれません)。
わたしは、てっきり学生の文化祭レベルのものを予想していたためです。
興味あって関連情報探してみると、youtubeにおいて岡田斗司夫とゆう方の映像で解説がありました(個々の引用元省略)。
すると当時、いくらかのスタッフはすでにアニメーション制作プロダクションなどで働いているようで、「自主製作」とはいえ完全にアマチュアとはいえず、セミプロレベルのスタッフによるものであったと思われます。
そうしますと、当作品の(わたしの思う)ある程度のレベルの高さは納得できるものであるかもしれません。
ただ、本作において、映像技術や特撮技術はアマチュアと呼べないものの、どうしてもプロではない点に気づかされます。
アマチュア映画には、どうしてもプロの作品に見えない要素があります。
それは、俳優(演者)です。
本作中のセットや衣装がいくら本格的でも、それを演じている俳優たちの演技は、やっぱり大学生や一般人(素人)参加のものに見えてしまうのです。
これは改めて、人そのもの(演者)だけは手作りできないことに気づかされるのです。
これは逆にいえば、俳優がプロ(あるいはプロ並み)であったのなら、ほかの要素のレベルが低いとしても、または、多少予算が低いものであったとしても、高いレベルの映像作品が創れる可能性があるものと思いました。
※もう一つ逆の考えだと、ノンフィクションや、素人であることそのものの利点を利用した映像は、逆に素人であるからこその面白さや魅力、あるいは迫力があるのやもです。
庵野秀明の自主制作版「ウルトラマン」がやはり「自主製作」と感じるゆえんがそこにあるような気がしました。
※扉絵紹介:虹の橋
仕事のため、とある地方の鈍行列車に乗っていた時、虹の橋をみる。
列車の前方、進む方向に対して垂直に、きれいに半円形の虹があった。それは左手側の風景地平から右手側の地平まで達していた。
まるで、列車が虹の橋をくぐりぬけようとして、向かって走っているように見えた。