3歳がはじめてみた花火
いやだっ!
ボクもみたい!!
3才のむすこがさけんでいる。
同じマンションで仲がいい
小学3年生のカンタお兄ちゃんに嫉妬しているのだ。
そのカンタお兄ちゃんは花火大会に
おじいちゃんおばあちゃんと行ったらしく
花火の壮大さをむすこにはなしてくれた。
家に帰るととたんに
3才のむすこは保育園のバッグを玄関になげ捨て
ママのあしに体当たりした
ママっ!
ボク、「はなび」みたい!
きょう「はなびたいかい」にいくんだよ!!
「はなびたいかい」はきょうはやっていない、
キミがねる時間に「はなびたいかい」ははじまる。
そう言っても
3才はもちろん納得しない
すると妻は、
わかった!
ママが花火みせてあげるね!
元の長さの半分ほどしかない
不揃いな7.8本のクレヨンたちをかき集めて
ちょっかいを出してくるこどもたちと一緒に
妻は「はなび」を打ち上げた
これ、「はなび」なの?
ふーん
そうだ!ボク、ジュース飲みたい!!
3才がはじめてみた「はなび」は
むすことわたしの心をあたたかく照らしてくれたようだった。