初めてのフライト
初めて航空機に乗って移動したのはもう40年近く前の学生時代のこと。就職のために面接を受けるために都内まで行かなければならなかった時のこと。
1980年代中頃の就職事情は、バブルに向かって企業景気が上向く中、特に理科系の学生に対する求人数は凄まじく、また、それまでは少なかったソフトウェア関連のエンジニアに対する求人需要が爆発的だったこともあって完全な売り手市場だった。
私の就職活動は極めてテキトーで、①外資の大企業、②日本支社が東京にあって、③電気電子関係のテクノロジー系のとこで医療機器関係なんかいいかな、的なものだったのだが、うまくジャンル分けされてた求人票から私が掴んだのはオランダ本社の総合電機メーカー。そこの人事担当者が私の学校まで企業説明会を開いてくれ、その後ファミレスでその人事担当者と一緒にビールを飲み始めたのだが、なんか勢いに乗って面接に進むことになってしまっていた。
今なら考えられない当時の面接事情は、交通費全額支給、ホテルは会社の最寄りのホテルに好きなだけ滞在可能、というものだったが理系学生で地方出身者はだいたい似たような条件だった記憶がある。
時期的には6月くらいだったのを記憶しているが、初めてのフライトを予約して、面接日の前々日に福岡から羽田までフライト。しかし、残念ながらその後の多くのいろんな体験のおかげでフライトの印象やら記憶は全く無い。
とりあえず羽田空港に着いたものの、そこで気づいた。「あれ?今夜はどこに泊まればいいのかな?」。
そう、面接日前日以降は会社近くのホテルが約束されていたが、なにぶん初めて都内に行くために、用心のために1日早く飛んで来ていて、当日の宿を確保することをすっかり忘れていた。
それから羽田空港の公衆電話に備えてあった電話帳を頼りに、翌日から確保されていたホテルチェーンの中で新宿東口を確保して、何とかその日のピンチを乗り切ったのだった。
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