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たばことわたし-アトピーを通じて

もう20年近く吸い続けてきた計算になる。

両親ともにチェーンスモーカーで、週末にはワンカートンが無くなるほどの量だったそうだ。父は肺気胸、母は脳出血になったのをきっかけにやめたそうだ。記憶の限りでは父が50代、母は60代でやめている。ちなみに母は肺がんで先日他界した。

大人になったら、自分も当然吸うものだと思っていた。

小学生の時には両親、いとこの兄ちゃん、大好きなロックアーティストなどに憧れていた。
中学生の時には尊敬する先生たち。初期のRCサクセションの「ぼくの好きな先生」の雰囲気がしっくりくる。
高校の時には文豪だろうか。「紫煙をくゆらせる」という表現を、ものすごく美しく感じた。

そして、ごくごく当たり前に吸い始めた。1日1箱くらいかしら。それくらいのペース。

"そこにある"のが当たり前だった。
呼吸をする、食事をとる、排泄をする、たばこを吸う。それくらい深く深く入り込んでいた。

最初の不調は、24くらいの時か?バージャー病という難病の疑いをかけられた。血管障害の一種で、最終的に手や足の指先を切り落とすことになるらしい。原因は不明だが、罹患者の9割以上が喫煙者であることから、「たばこ病」とも呼ばれるらしい。

参考:バージャー病

https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/buerger_disease/

禁煙をした。
1週間。
でもまた始めた。
しかし症状はなぜか寛解した。
同じタイミングで、仕事が連日深夜までで、極度のストレス状態だったからかもしれない。
そこからの解放のおかげかもしれない。

吸い始めた時の後ろめたさを覚えている。
そういえば、はじめて友人からもらった時のうしろめたさもあんな感じだった。


次の不調は、33の時。
私は身長181cmで、その時には100kgあった。

高校の時はラグビー部に所属していた。
ラグビー部はとにかく食べる。3食に加えておにぎり5個を、毎日。しかもとにかく早食い、噛まずに大量にかき込む。私の食べ方の基本はあそこで出来上がってしまったんだろう、、

さすがに高校の時ほどの量ではないにせよ、大人になっても暴飲暴食は続いた。
しかも自炊ではなく、ほぼ毎日外食だ。朝はコンビニ、昼は外食(唐揚げ定食中心)、夜は飲み会(週3〜5のペース!)で大量のビールとつまみ、、、太らないわけがないし、身体にガタがこないわけがない。むしろよく、10年以上も耐えたものだ。

不調は、まず「腰痛」という症状で私に降りかかってきた。動くたび、立ち上がるたび、「ピキっ」という痛み。仕事も手につかない。職場に迷惑をかける、、

食べ物を少しづつ変えた。
自炊中心に切り替えて、量を減らした。外食は続けていたが、昼食は自炊に切り替えた。
ひと月?で10kg近くの減量に成功して、徐々に腰痛は寛解していった。たばこは特に減らさなかった。


そして、今はアトピーという症状で降りかかってきている。

ところで私の食生活は、昨年末くらいから、これまでからは考えられないくらい改善している。例えば昨年末、職場にしっかり出社できていた頃は、朝は納豆ととろろご飯、昼はみかんとバナナ、夜も自炊、というルーティーンだった。

食生活を改善し始めると、症状はどんどん強くなっていった。これまで溜まっていた毒を身体が排出し始めたのだと思う。

現在は在宅勤務でなんとか過ごしつつだが、グリーンスムージー、果物、玄米、納豆、山芋、きのことニラ、根菜の味噌汁、あたりを中心に摂取している。酒はほぼ摂取していない。

毒を摂らず、毒を出して、回復を待つ生活。

しかし、それでも摂取してしまう毒が、たばこ、砂糖だ。

砂糖は、ドライフルーツやはちみつに置き換えるようにしている。バナナとオートミールに豆乳とはちみつをかけてレンチンすれば、お腹も膨れる。精製砂糖や添加物にまみれた菓子と比較すれば全然マシ(と信じている)


そして、、、たばこだ。

いま、肝臓がものすごく頑張っていて、毒を外に出そうとしている。食べ物の毒を控え、運動をして(今は感染症影響で動けないけど、、)、入浴をして、排毒を促している。

たばこは、毒だ。
生まれ変わろうとしてる身体でたばこを摂取すると、たばこの毒を出すのに気を取られてしまい、回復を妨げる。
さらには、肺は東洋医学では肝臓の隣の臓器で、肝臓を助ける機能もあるらしい。その肺の機能も邪魔している。

感染症の入院指示は、もしかしたら、「入院してたばこをやめなれ」というサインだったのかもしれない。

金もかかる。
最近は出来る限り、オーガニックや有機栽培の食べ物を選ぶようにしている。果物も大量に買うので、出費はそれなりである。飲み会代が置き換わったとも言えるけど。だから、タバコに金を払ってる余裕などないのだ。

家族も全員、たばこに対しては否定的だ。

そして、職場の上司からもついに、「治療がんばってるのはわかるが、たばこはやめられないのか?」とまで言われた(感謝してるが)


しかし吸いたくなる。
ぜったいいらないのに。
やめるべきなのに。
ヒトを裏切っているのに。
吸わない方が、この地獄を早く抜け出せる可能性が高いのに。

今は吸わないと決めて、治った後にたしなめばいいのに(酒はそのイメージができている)

先生から「吸っちゃいけませんよ」と言われてるのに、隠れてこそこそ、後ろめたさを感じながら吸うのだ。

仕事で少し嫌なことがあると、吸いたくなる
家族と少し諍いがあると、吸いたくなる
なんだかものすごくしあわせだと、吸いたくなる(これはまれだけど


ところで私は星野源が好きなのだけど、星野源がこんなことを言ってた。

「中身を磨くしかないんですよ。カッコいい・素敵だなと思うことを頑張ってやって、カッコ悪い・ダメだなぁと思うことを頑張ってやらない、その積み上げなんですよ」

今こそが我慢のしどきなんだろう。
ここ何日間は、1日3本以内に収まってる。
オードリーヘップバーンは、1日6本と決めてるらしいから、それには勝ってる。

今日はつらくてつらくて、1本だけ吸った。確実に減ってる。

明日と明後日は仕事がないからチャンス。
アトピーが落ち着いたあとの素晴らしい未来を想像しながら、吸うのを我慢してみようと思う。

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