今更聞けない人事の用語①:春闘ってなんですか?
みなさん、こんにちは。
人事に関連する専門用語はたくさんあります。その中で「今更聞けなくて、わかったふり」をしている用語はありませんか? 私はあります・・・
今回はそんな用語の一つ「春闘」について調べたので、おすそ分けします。
春闘ってなんですか?
フクロウ先生:「ひな祭りも過ぎて、いよいよ春・・・春闘の季節になりま
したね。」
ミカさん: 「はい、ニュースでたまに聞きますが、春闘とは縁がなかっ
たです。そもそも春闘ってなんですか?」
フクロウ先生:「春闘は、日本の労働組合が毎年春に行う賃金交渉のことを
指します。労働組合は、この時期に企業や組織の経営者と
交渉をして、賃金の引き上げや労働条件の改善を求めま
す。」
ミカさん: 「どのように進行するんですか?」
フクロウ先生:「まず、労働組合は自分たちの要求、つまり賃金の引き上げ
率や改善すべき労働条件などをまとめる。それから、経営
側との交渉が始まります。」
ミカさん: 「交渉はすぐに合意に達するものなんですか?」
フクロウ先生:「そう簡単にはいかないですね・・双方が数回にわたって会
合を持ち、要求と提案を出し合う。そして最終的には、双
方が納得する形で合意に達することが目標です。」
ミカさん: 「合意したらどうなるんですか?」
フクロウ先生:「合意の内容は、新たな労働契約として実施されます。これ
には、賃金の引き上げ、ボーナス、労働時間の短縮、福利
厚生の改善などが含まれることがあります。」
ミカさん: 「春闘の結果は、他の企業にも影響を与えるんですか?」
フクロウ先生:「その通り。特に大手企業や主要産業の春闘の結果は、他の
産業や中小企業にも影響を及ぼすことがあります。賃金や
労働条件の基準となり、広い範囲での労働市場に影響を与
えます。」
ミカさん: 「なるほど、春闘って経済全体にも関わる大切な活動なんで
すね。」
フクロウ先生:「春闘は、労働市場の動向を反映するだけでなく、経済状況
や社会の動向によってもその年の交渉内容が変わってくる
とても重要な活動です。」
用語解説
春闘(しゅんとう)は、日本における労働組合の活動の一環で、毎年春に行われる賃金交渉のことを指します。この期間中、労働組合は企業や組織の経営側と交渉を行い、賃金の引き上げや労働条件の改善を求めます。春闘は日本の労働運動の中心的なイベントであり、その年の労働市場の動向や経済状況を反映する重要な指標とされています。
2024年の春闘の傾向
2024年の春闘に関して、いくつかの傾向が見受けられます。中小企業では価格転嫁が進まない状況にあり、契約の打ち切りや労務費の上昇分を自助努力で吸収すべきだとの意識が発注者側に根強いとの指摘があります。そのため、国は中小企業の労務費転嫁を後押しするための指針を設けていますが、価格転嫁が進めば消費者にとっては値上げが続くことになり、賃上げの重要性が高まっています。実質賃金は21か月連続でマイナスとなっており、賃金と物価の好循環に向けた動きが期待されています。
大企業においては、去年の春闘で賃上げ率が30年ぶりの高水準となり、賃金の上昇が景気の拡大につながっていると考える企業が増えています。ことしの春闘は、日本経済の大きな節目と位置づけられ、実質賃金がプラスに向かう可能性が高まっています。また、賃上げの分を価格転嫁できるかが中小企業にとって大きな課題です。
非正規社員や女性、高齢者の賃金や処遇の改善も重要なテーマとなっています。特に女性の賃金格差の解消や、高齢者の賃金水準の適正化が求められています。
連合の賃金レポートや春季生活闘争の情報も重要な参考資料となります。
これらの動向から、2024年の春闘では物価上昇に負けない賃上げや、非正規社員や女性、高齢者の処遇改善などが焦点となりそうです。
※3月16日追記
各社ほぼ満額回答でしたね・・・
出典・参考:
2024年01月17日 NHK 解説員室
「2024春闘をわかりやすく解説 中小企業や非正規社員も賃上げを!」
2024年2月6日 NHKビジネス特集
「2024年春闘 大企業100社に聞く 賃上げは? デフレ脱却は?」
日本労働組合総連合会HP
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