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【日経記事】商船三井、2期連続最高益今期最終 コンテナ船、上期好調で上方修正


2022/11/1 2:00 朝刊 [有料会員限定]

商船三井は31日、2023年3月期の連結純利益が前期比11%増の7900億円になるとの見通しを発表した。7000億円とした従来予想を900億円上回り、2期連続で最高益を更新する。上期(4~9月期)のコンテナ船事業が好調だったほか、円安も利益の押し上げ要因となる。欧米の利上げや景気後退の懸念が強まっており、業績の先行きには不透明感もある。


上方修正は今期で2度目となる。売上高は26%増の1兆6000億円、純利益は期初予想の5000億円から58%上振れする。けん引役は国内海運大手3社で共同出資するコンテナ船事業会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」だ。

ドル収入が大半とされる国際海運業界では円安は業績にプラスに働く。商船三井は125円としていた通期の想定為替レートを132.99円に引き上げた。経常利益への感応度は1円の円安で42億円の増益としている。

上期は供給網の混乱の長期化による在庫積み増しなどを背景に、好調な事業環境が続いた。コンテナ船事業では短期のスポット(随時契約)運賃に加え、1年単位の長期契約運賃の引き上げが進み、利益水準が大きく引き上げられた。

ただ、足元では欧米のインフレや利上げによる景気減速を受けて、コンテナ船運賃が急激に下落している。国際指標である上海航運交易所の10月末時点のスポット運賃は、4月初旬比で上海発米西海岸向けが76%安、上海発欧州向けが67%も下落し、新型コロナウイルス禍前の水準に近づいている。

純利益は上期が前年同期比2.2倍の6015億円となるが、下期(22年10月~23年3月期)は57%減の1885億円になる見通し。記者会見した橋本剛社長は来期以降のコンテナ船事業について「極端に悲観的な見方はしていない。ただ、世界経済全体が調整色を強めており、下期に比べてもう一段軟調なマーケットになるとみている」と語った。

同日、今期の期末配当を50円増の250円とし年間配当を550円に引き上げると発表した。

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