歌詩 ②居場所について
1
あー 新しい居場所をどれだけ必要としていることか
楽しいことがしたい 愛も恋も
それがなけりゃ生きていけない
支えあいたい 必要とされたい
あなたが不要なわけないでしょ?
そう 周りはあなたを認めている
わたしが認めていないのは わたしの過去
なぜ あなた方を認めなければならないのだろう
誰?あなたたちは 素性が見えない
どうせあんたらも人を差別して生きてきたんだろ
苦しんでいる原因は自分にある だからそれを直してきた
だから 他人が陥っている状況もその人の所為となる
彼、彼女は、直さなければならないものを抱えている 取り除くことができれば
楽にしたい
そうかもしれない
でも自分にはやはり関係がなかった 彼、彼女らが、彼ら自身のそれを取り除けたことが私にとっての幸福だ
そう 享受すればいい あわよくば世の腫瘍を彼らの愛が喰いつくさんことを 治癒することを
それがきっと、彼らにとっての成長なのだろう
コンプレックスの位相
2-1
傷口を塞ぎあうこと 縫い合わせること
好きにやっていい
特別批判を押す意味もない
むしろ 塞ぐべき穴を塞がなければ 立ち直れもしない
一生懸命がんばること
だが、批判すべきものには批判しよう 判断の付く人が
意外と世の中広い
いけないのは その自覚もないくせに、表に出ている変質者だ
もし 何事かを言い当てられたように感じるとすれば それは結局同質者(共犯者)
傷をこじらせるのは止めろ
圧力鍋の蓋と具材がぐつぐち言っている
──そうはいっても、だが、そんなことをいっても どうすればいいのか
むしろ なぜその場所に居場所がないのだろう?
なぜ自分は使い潰される?何かが足りないから 無限地獄に足をすくわれている
そんなことはない
人生において 感じられる感情に差があったらおかしいに決まってる
自慢をひけらかす動画とか よく見てられるよな
板の向こう こちらには何も無い。
助けてほしい
2-2
いや もはやそれさえも 見下してしまってかまわないのだ
それこそ 彼らの作り出した古井戸
足をはめられてはならない
世の中全体にかかった一筋の雲 これは表ですらない。
抜け出して 掻き晴らして
今自分らがいるのは さらにその上
新しい地上!
もう正直飽きてきただろ
刑務所の中 地下室と同じ そこで何ができないか
そんなものを取り上げるなどどうかしている 普通の人から
これは異常社会
だが大丈夫 そうだ、自分がいる
──とはいっても、何かが変わるものだろうか。
いや、既に、変わっているのではなかろうか
地上から見る景色は
黙れとは言わない だが、一度口をふさいで、また喋り始めろ
その鍋蓋をあたらしい顎と交換してから
現実は、言葉によって変わる
きっと居場所はみつかる その不安を引き受けてくれる人はいるから喚かなくていい
課題は なんとか打ち毀す あわよくば ともに
しなばもろとも