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エンド・オブ・ライフ
佐々 涼子📖
「エンド・オブ・ライフ」
先日、高校時代の友人と3人でランチ
1年ぶりだったので、4時間はあっという間に過ぎた
67才になると話題はお決まりの病気、介護、実家の空き家問題等
友達のひとりのAちゃんが白内障の手術で通院の時、送迎バスで70代の方と友達になったそう
年齢関係なく友達になれるって良いね、なんて軽い気持ちで聞いていたが、その方のご主人がすい臓がんに侵され、分かった時はあとひと月の命と言われたと話が進んだ数分の間に私の頭は静かになった
即入院となり、次第に今まで出来ていた事が、出来なくなり制限もかけられた
その内トイレも行ってはならないと言われたその方のご主人は、せめてトイレだけは自分で行きたい行かせて欲しいと訴え、病院側も受け入れてくれたらしい
程なくして、ご主人はお亡くなりになったそうだが、その時看護師さん達が拍手してくれたという話を、友達は自分の身内の話のように涙を溜め、声を震わせて聞かせてくれた
その方の最後の尊厳だったんだと思った
もうひとりの友達Tちゃんが、おもむろにバッグから一冊の本を取り出した
今、この人の本ばかり読んでいる
Aちゃんも「佐々さんて最近亡くなられた方だよね」と言ったが、私は「エンジェルフライト」を書いた人か位で、それ以上の事は知らなかった
普段から重いノンフィクションの本を読めない私は、自分では選ばない本
でも、私達の年齢になれば、目を逸らせない話かもしれない
早速その日帰宅途中で本屋に寄り、一度手に取りパラパラと捲った
あーやはり無理かもと棚に戻して帰った
翌日、やはり気になり迷いに迷った末買った
でも、直ぐには読めず、2日位たって読み始めた
読み始めると、怖くなったり、胸を打たれたり
読み終わると、読む前より自分の中で何かが変わった気がした
訪問看護、在宅医療、終末医療、看取り等私には知らない事ばかりだった
私の両親は、そういう事が無く天国へ旅立ったから
私にもいつかその日がくるのだけれど、この本に書かれている人達のように、残された家族に何かを教え、心
も安らかになれるように出来たら良いな
自分がやりたい事をやるのは、単なる我儘じゃないんだともあらためて考えた
この本にも亡くなった時に看護師の方達が、賞賛の拍手を送ったという話が出てきた
ただ医者に全てを任せ、言われるままに病院のベッドで過ごし、下手すると人間扱いされずに人生を終えるなんて、やはり悲しい
色々と考えさせられました
死に向かう人とご家族の苦しい時を過ぎた後の静謐さが胸を打つとても良い本でした