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常設展示室

原田マハ著
「常設展示室」📖涙しながら読み終えた。

6話の短編集。
「デルフトの眺望」と「道」は特に泣いた。
デルフトの眺望は、姉なづきと弟ナナオ、そして父親の話。
現代アートを扱う大手ギャラリーの営業部長だったなづき。
大学卒業後、ひとつの会社に勤め続ける事がままならず転職を繰り返し、母が病気で他界した後、父と東京郊外の2DKのマンションに暮らしていたナナオ。
父親は80歳越したあたりから認知症で物忘れが酷くなってしまい最期は窓からひなびた商店街が眺められる施設で過ごす事になった。
父親の死と姉弟それぞれの違った生き方。同じように生きていけないけれど、やっぱり姉と弟。思いやりに涙した。

「道」は兄と妹の話。
物心ついた時既に父親がいなくて、その後母親が亡くなる。兄と2人っきりになったが、妹は裕福な家に迎えられる。
日本芸術大学の教授となった妹。
おそらく兄は、生活にも困っただろう人生。
絵が好きで優しかった兄。
一枚の絵を通して兄であろう人と会う事になったが、兄は病気で死んでしまう。
あー😮‍💨

よくある話かもしれないが、絵画を通して語られる話は、それも絵の一部に見える。
フェルメールのデルフトの眺望が生きている様に見える。

絵は好きです。
ピカソの青の時代好きです。


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