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フランスの街の夜
遠藤周作、狐狸庵先生、どちらも同じ人
狐狸庵先生のぐうたらシリーズも好き
沈黙を書いた遠藤周作も好き
遠藤周作初期エッセイは、流石に年代を感じる
フランスの街の夜と言うからには、フランスでの留学中の話なのかと思いきやでした。
最初の方は、哀愁が漂い、後半は狐狸庵先生の影がチラつく。
歩き歩き、物思う…は沁みた
(歩きながら、私は残り少ない人生であと何度、こうした春にめぐりあえるのかと考えていた。)云々
(年をとる事は寂しいものだが、年とったゆえに味わう情感もあるのだ)そうかそうか
解説に書かれていた話
遠藤周作がアメリカに居た頃、案内役を務めていた方の幼い息子が病に倒れ、彼の妻と息子が帰国。自らも帰国の準備をしていたが間に合わず、看取る事が出来なかった。
病院にかけつけ、子供の手を握った遠藤周作から、アメリカの彼の元へ届いた手紙には
「街に見える尖塔を見つけ、見えた教会に入り、祈りなさい。祈るということは偽善的なことではない。
死んだ人、君が愛していたものと話をかわすことのできることだ。」と書かれていたそうだ。
熱海の宿で幽霊にあった話も興味深かった😅
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長崎の遠藤周作文学館へ行った時を思い出す
![](https://assets.st-note.com/img/1674994560600-7IoPBOwRRi.jpg?width=1200)
外海、沈黙の舞台になった場所
波の音だけがする静かな場所で、清らかな心の持ち主じゃない私は居ても立っても居られない気分になった
また、「深い河」を読んだ後、ある日の夕食でまだ幼かった娘にマグロの刺身を出して「インド洋で獲れたマグロだよ。ガンジス河では沐浴したり、洗濯したり、死体も流れてくるらしいよ。」と話した途端、娘はマグロの刺身を食べられなくなってしまった
遠い昔の話でした