「優秀な社員」ってどんな社員?②
①「優秀さ」には結果もプロセスも大事
前の記事では「優秀さ」を結果だけでなく、その方法まで評価しようとしています。
結果が「利益貢献度」であるならば利益が出ていればいいはずですが、私はそう思いません。
なぜなら優れた「結果の出し方」には、他の社員までを良くする可能性と影響力があるからです。
会社の利益というものが、社員全員の人件費を含めた固定費を越えなければ生まれないものである限り、私は誰かが一人で頑張るよりみんなで頑張った方がいいと思っています。
そのためには「優れた結果を出している」ことを評価するだけでなく、「どんなやり方で出したのか」ということも評価して、それをみんなに公開・共有できる社員こそ「優秀」だと定義することが大事です。
結果だけで「優秀」だと評価してしまうと、「結果が出るなら何でもいい」「自分だけ良ければいい」という考え方になってしまい、その社員の成績はいいのに会社の業績は悪く、組織は崩壊ということになりかねません。
②自分より「優秀な社員」を活躍させることの難しさ
実は前の記事で書いた利益貢献度のレベルは「守・破・離」になっています。
「まずは先人のやり方を学んで(守)、それを元に新たなやり方を作り出し(破)、最後はそこから離れ全く違うものを生み出す(離)」
そのやり方で努力する方が成長しやすく、その社員を評価するのにふさわしい視点だと思っています。
しかしそう思っているからこそ、「優秀な社員」を評価して、活躍してもらうことがいかに難しいことが理解できるようになりました。
それが「離」のレベルに到達した社員です。
「破」のレベルまでなら、これまでやり方を否定しながらも元にしているので、抵抗がありながらも上司も周りも理解ができます。
しかし「離」のレベルまで行くと、これまでの延長上にないために理解できる人が限られ、受け入れられにくくなり、左遷されたり退職するしかなくなります。
人間は理解できないと拒否反応を起こしてしまうのでしょうがないことではありますが、自分で事業を立ち上げる人や、子会社に飛ばされ復帰して親会社を立て直す人は、きっとこういう人たちではないかと思っています。
③「優秀な社員」が活躍できる会社にしたい!
会社が小規模のうちは、ある程度統一されたOSやアプリを持っていることが大事です。
そうでなければ力が分散されてしまうからです。
そこで業績を上げるには「守」のレベルの社員が重要だと思います。
その段階では高スペックな社員ほど活躍できます。
しかし会社を社長の能力以上に発展させるためには、社長とは違うOSやアプリを持った「破」や「離」の社員が必要になります。
その「優秀な社員」たちが周りにOSを尊重され、アプリを共有しながら活躍することができれば、会社はどんどん発展することができると思います。
「優秀な社員」たちを行動や発想をムダに縛ったり、能力に嫉妬してジャマしたりせずに、理解してバックアップできる存在でいれるように心がけ、努力していきたいと思っています。