ただの音楽好きがNumber_iの音楽性について本気出して考察してみた

https://www.youtube.com/watch?v=dcGu-yn06c4


最近何かと音楽シーンを賑わせている3人組アイドルグループのNumber_i。

3人の前身グループであるking & princeの頃とは大きく異なるラップをメインとした挑戦的な曲調、サビでの単語の連呼などが特徴的でSNS上でネタにされる事も増えてきているが、そんなアンチの反応とは裏腹に音楽ファンや従来アイドルに興味の無かった層からは高評価を得ている印象がある。
筆者も普段はアイドルグループの楽曲はほとんど聴かないが、Number_iの音楽性には不思議と惹かれるものがあり注目している。
今回は彼らの音楽性を深く考察していこうと思う。(因みに彼らのもう一つの武器であるダンス等のパフォーマンスに関しては専門外なので本記事では触れません。ご了承ください)


①3人の対照的な歌声

Number_iは平野 紫耀・神宮寺 勇太・岸 優太の3人で構成されている。そして3人ともラップをメインに歌唱している点がアイドルグループとしては異色な特徴となっている。そしてラップもアイドルにありがちなお喋り系ではなく本格的なラップボイスを響かせている。歌声の特徴もそれぞれ異なるので1人ずつ考察していく。

・ 平野 紫耀

声を少し潰したような低音の本格的なラッパーボイスである。なかなかクールで色気のある歌声だ。アイドルでここまで本格路線に振り切っているのは同じジャニーズ系だとa Day in our lifeの時の嵐の櫻井翔や元KAT-TUNの田中聖ぐらいだろうか。サビでは主に平野の声が強調される事が多く、3人の中でも特にメインで扱われているのかもしれない。

・ 神宮寺 勇太

平野と同じくやや低音気味だが平野ほど声を潰してはなく、割と地声に近いようなボイスである。歌詞も一番聴き取りやすい。3人の中では一番アイドルっぽさがある歌声であり、キンプリ時代からのファンからすれば聴いてて一番安心感(?)がありそう。
たまに導入されるラップ以外の普通の歌唱パートは神宮寺が担当することが多い。

・ 岸 優太

そして一番特徴的なのが岸優太である。3人の中では一番高音ボイスでしかもちょっと三枚目風でファニーなエッジボイスをあえて発声することで曲の幅を広げている。3人とも低音ボイスだと少し味気ない仕上がりになってしまいそうなので一人高音ボイスを配置したのは正解だろう。また岸の場合はそれだけでなく「GOAT」では地声を交えたような色気のある低音ボイスを披露するなど歌唱の引き出しが非常に多く、Number_iの音楽で最も重要な役割を担っていると思う。

②良い意味でぶっ飛んだ曲構成

アイドルとしては異例の全員ラッパーでしかも歌唱がきっちりと役割分担されているNumber_i。この特性を最大限生かすように曲構成もインパクトのある作りとなっている。今回は彼らのデビュー曲である「GOAT」から分析してみる。

・1番

EDM風のハードなサウンドを響かせながら曲のスタート後すぐに3人のラップが炸裂する。1番では岸優太も珍しく低音ラップを披露している。結構な高速ラップで歌詞はあまり聴き取れないが、歌詞を追っかけるのではなく歌詞を音として捉えた方が聴き心地が良くなるだろう。
1番はひたすらサビに向かって息つく暇もないほど高速ラップを畳み掛けていくという展開。スペースを作らずにとにかく敷き詰めていくのは今時の音楽といった感じ。

・サビ

サビでは一転して「GOAT」という単語を連呼するというシンプルさ。バキバキのEDMトラックをバックに招き猫のような振り付けとセットに連呼する。単調さは気になるがライブやフェスではこういう感じの方が会場全体で盛り上がりやすいし、世界を意識するならわかりやすくしたほうがウケもいいのだろう。

・2番

「GOAT」の連呼が終わった後すぐに2番に突入するが、ここで一気に曲調が変化する。岸優太が高音ボイスにチェンジしそれと同時にトラックもファニーな雰囲気に変貌を遂げる。ここまでハードなゴリゴリhip-hopだったのが一転して遊び心満載なパートだ。この展開は今までのアイドルグループでは無かっただろう。非常に中毒性も高い
平野も2番から巻き舌を混じえてよりクールなラップを歌唱しており、神宮寺は岸にも平野にも両方とも寄り添えるような丁度いい位置のラップを歌唱していて、3人ともよりラップの切れ味が増している。1番ではとにかく畳み掛けていくスタイルだったが2番では緩急を交えながら非常に奥行きのある曲展開となっている。個人的には2番が一番好みのパートだ。

・サビ〜ラスト

2番とサビの間に少しだけダンスパートがあり、一呼吸置いてからサビに突入する。サビ後に最後ラジオボイスのパートが用意されている。ここはラップと普通の歌唱がミックスした感じでこの曲では珍しくミドルテンポで聴かせている。3人が交代で歌唱してから曲は終了する。ここまで怒涛の展開だったが最後は意外とゆったり(?)と締めくくるのもまた印象的だ。

③メッセージ性よりもリズム感重視の歌詞

「GOAT」の歌詞は以下の通りだ。

間違いだらけの世界に生きる Brother
俺らについてくりゃ見せてやる New World
満たされてくサイテーな世界を愛撫して
入れるモザイク But 俺のスキルは健在 GOAT
ほら DAN DAN DAN と聞こえてきた Music
君の脳内はもう踊らずにはいられない
から Boom boom
何回だって立ち上がって、こんがらがって
君の前で Love のメッセ
これ聞いてんなら伝わってんだろ
Yo 時代は Baby blue
一番星になったお前の分 Boom, yeah, woo!
ピーカンの空と瞑想 アプデ Version_i
こんなタイプ未だ見たことない

君に見てほしいんだ
マジぶっちぎる Shooting star (Shooting star)
But コントロールはまだ So-so
0 から創造して Let's go さ, buddy
ステージから見る黒髪
君の道照らす灯り
すべて込めて愛に変える Woo!

Now, this is my masterpiece

I’m the new GOAT
時-時代を背負う Let's go, yo, wo!
間違いじゃないこれが俺の Answer
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT
Let's go, let’s go
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
Go back, GOAT

タクシー乗るのにも一苦労な Artist
I need a double bed
バラバラになった空を奪って
クールぶって振る舞った
窮屈なスーツがバブー
あれもしたいしこれもしたいが, Follow the rules
ほら DAN DAN DAN と聞こえてきた Music
君の脳内はもう踊らずにはいられない
から Boom boom
何回だって立ち上がって、こんがらがって
君の前で夢叶える Me
Let me, let me, let me

君に見てほしいんだ
マジぶっちぎる Shooting Star (Shooting Star)
But コントロールはまだ So-so
0 から創造
I don't give a bad, shh
正しいものを気取り
カラフルで真っ白
Now, this is my masterpiece

I'm the new GOAT
時-時代を背負う Let's go, yeah, wo!
間違いじゃないこれが俺の Answer

GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT
Let's go, let's go
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
GOAT, GOAT, GOAT, GOAT, GOAT
Go back, GOAT

右左ギリギリの Kiss throw
キリないぜ燃え尽きちまう Ye-yeah
ぶっ飛んでった Life が今大集合
未知の領域まで Fly


これから活動するにあたっての意気込みや自信に満ち溢れたような歌詞だがこうして活字にしてみるとそこまで印象的なフレーズは存在しない。そもそも歌中ではほとんどが高速ラップでしかもエッジを効かせているため聴き取れるパートの方が少ない。
普段hip-hopを聴かなかったりアイドルソングばかり聴いてきた人からすればかなり違和感はあるだろう。だがこれは歌詞の意味を伝えるというよりも歌詞を音やリズムと捉えてほしいというNumber_iの意図が個人的には感じられる。意味よりも言葉遊び的な要素の方が強いのだろう。

そもそも音楽とは「音」を「楽しむ」と書いて音楽と読むのであり、歌詞はあくまでもオプションに過ぎないと個人的には考えている。
普段歌詞中心に聴いてるアイドルファンはせっかくなのでNumber_iをきっかけに音中心で聴くという音楽の楽しみ方をしてみるのもいいのではないだろうか。
異なる角度から聴いてみるとより音楽の面白さ、奥深さに気づく筈である。

結論

Number_iは本格的なhip-hopとダンスミュージックを融合した音楽性を持っており、メンバー全員が本格的なラップを歌唱しており、しかも良い意味でぶっ飛んだ歌唱(主に岸優太)をしている点、メッセージ性よりもリズム感を重視している点等、明らかにこれまでのアイドルグループとは一線を画す路線で異質である。
その為一般リスナーからは違和感を持たれがちだがそれとは対照的に普段アイドルを聴かない層や、コアな音楽ファンからは軒並み高評価を獲得出来ている印象だ。
明らかに普通ではないが、普通でないことが爆発的な人気を獲得する必須条件であると筆者は考える。

キンプリ時代のようなアイドル路線を続けていたらここまで話題にならなかっただろうし、それならそもそも脱退した意味もない。
脱退した以上は自分達のやりたい音楽を徹底的に突き詰めていくのが正解だろう。

現在はhip-hopをメインとした楽曲を世に送り出しているが、今後は違うジャンルの楽曲を出すのではないかという推測もされている。
個人的には今後もさまざまな挑戦をして音楽シーンに話題を提供し続けて、アイドル音楽に対する偏見を打ち破る存在になってほしいと願っている。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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↓こんな感じの曲作ってます
https://www.youtube.com/watch?v=Jd9JL-_OQOg

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