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『ビート―警視庁強行犯係・樋口顕―』(今野敏・著)
2024.03.17読了。
タイトルは、物語のキーマンが熱中しているダンスを表している。そのため、ダンスの描写がとても多い。この作品をとおして、ダンスやダンスに真剣に取り組む人々の素晴らしさについて書きたかったのだろう。このころは、パリオリンピックの競技になることも、日本の体育の科目になることも、予想だにしなかったはず。今野先生の先見の名に脱帽。
また、そうやって流行の最先端をいきながら、親子関係という普遍のテーマを盛り込んで来るところもすごい。島崎さんがなぜ最後の最後まで英次くんと直接話をしなかったのか、一読者の私はひたすらイライラしながら読むのであるが(笑)、それこそが、思春期の子供と親の難しさなのだろう。大人になると、子供だった頃のことは忘れてしまう。そして子供をコントロールしようとしてしまうのだ。
今回、樋口さんは、ほぼ脇役なのだけれど、樋口家のおもしろシーンもあったし、氏家さんもちょこっと登場したので、満足。