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04_気が利く人を育てるには?

皆さま、こんにちは。台風の被害は大丈夫でしたでしょうか。
本日お答えするご質問は、ストアカのタイプ別コミュニケーション術【復習会】で、「教える」がテーマだった際にいただいたものです。
 
【質問】
私はアナリティカルです。でも、職場ではエミアブルが強く出ているタイプ。職場に、いくら教えても「気がつかない」人がいます。教えた以上のことはしないので、イライラします。どうしたら、「気がついて」「気が利く」対応ができるようになってもらえますか。
 
【回答】
うーん、難問です。
これはタイプ別コミュニケーションで解決できるのか…。じっくり考えて私なりの答えをお伝えしたいなと思い、あれこれと考えていました。
 
たしかに、職場で同じように教えても、それを基本として応用が効く人と、残念ながらそうではない人がいますね。
 
私はホテルウーマン1年生の時、「お客様にお水をくださいと言われたら、薬を飲むのか必ず確認しなさい」と教えられました。薬を飲む時に水に氷が入っているのは邪魔なので、その場合は氷なしの水をお持ちすること、という理由まで教えてもらいました。
 
このような状況を何度も経験するうちに、テーブルの上にお薬を置いたお客様から水を頼まれた時は、「氷なしでお持ちしてもよろしいでしょうか。お薬をお飲みになりますか。」と確認したり、氷入りの水があるにもかかわらず、水を頼まれた時には、氷なしの水が必要な何らかの理由があるのだろうと想像し、氷なしでいいか、聞いたりすることができるようになりました。
 
これらが「気がつく」対応だとすれば、タイプ別とは関係ないのか…?このケースでは、「教えてもらう→経験する→考える→やってみる」というサイクルが回っていた、ということかもしれません。
(私のタイプであるドライビングは、そもそも人に関心のない人も多く、気が利くタイプかと言われれば、あやしいものです。)
 
さて、少し乱暴な分け方をさせていただけるとしたら、「教えられる」時に、マニュアルが必要なタイプと、必ずしも要らないタイプの二つに分けることができるように思います。
 
ドライビングとエクスプレッシブは、要らないタイプ。
アナリティカルとエミアブルは、要るタイプです。

 
詳しく見ていくと、要・不要の理由がタイプにより違います。
 
不要なタイプでも、ドライビングは自分のしたいようにするので、マニュアルは要りません。エクスプレッシブは前例を踏襲するのは嫌なので、そもそも読まない。
 
必要なタイプでは、アナリティカルは前例を確認して、より正しい方法を知るために、マニュアルが欲しい(熟読)。エミアブルは、マニュアルがあれば皆に迷惑をかけるような大きなミスはしないという安心感が持てるので、欲しい。
 
その上で、これらをベースに「教えても気が利かない」のは、どのタイプか考えてみます。
……答えは全タイプ
 


「えー」という皆様の声が聞こえてきますが、「気が利くかどうか」をタイプで分けることはできないと考えています。でも、「次から気がついてもらえる教え方」をタイプ別に整理することは可能です。
 
タイプごとの対応方法を考えていきましょう。
 
① アナリティカルは、マニュアルを隅から隅まできちんと読み込んで、正しく仕事を進める能力がピカイチです。でも残念ながら、「マニュアルに書いていないけれど、こうしたら相手は喜ぶんじゃないだろうか」と想像して先回りすることはやや苦手なタイプです。想像が正しいかどうか、判断基準がないからです。根拠のない行動は起こしません。
 
そして、とても正確な仕事をする方が多いのですが、人の気持ちを読んで先回りをすることに関して、それが正しいかどうか分からないうちは、行動のスピードは上がりません。ただ、いったん自分の中のマニュアルに書き込まれれば、いつも正確にやり続けることができます。
 
「気が利かない」方がアナリティカルの場合は、具体的に何をすれば「気が利く」ことになるのかを伝えることで動いてくれます。
 
外を歩いている方を1分観察して、傘をさしている人が2割を超えたら傘立てを出しましょう。そうすると、ちょうどいいタイミングで傘立てを出せますよ。
 
玄関のスリッパは、10分に一度揃えましょう。ただし、来客が1時間に10人を超えた場合は、5分に一度揃えてください。そうすると、常にスリッパが綺麗に揃った状態でお客様をお迎えできますよ。
 
など、行動を起こす基準・理由を客観的に具体的に「教える」と動いてくれます。これが「気が利く」行動に見えますし、理論に納得すると(自分なりのルールが見つかると)、「前に教えていただいたやり方を参考にすると、今回はこうした方がいいでしょうか」と聞きに来てくれるようになります。
 
大切なことは、皆さんが期待している行動の理由・根拠が主観的なものである場合、伝わりにくいタイプもいるということです。アナリティカルは主観では動かないタイプなので、行動を起こすための客観的な基準になる指示を出してあげてください。
 
② エミアブルには
 
濡れた傘を手にした方が困らないように、雨が本格的に振り出す前に傘立てをだしてください。
・玄関がスリッパであふれていると、後から来たお客様が嫌な気持ちになるから随時きれいにしてくださいね。
 
相手の気持ちを大切に、かつ想像して行動するよう教えると「気が利く」動きができるようになります。
 
③ エクスプレッシブは、楽しいことが大好きなタイプ。
「玄関のスリッパが踊り始めたら(散らかってきたら)、綺麗にしてもらえますか。」と指示にユーモアを交えると上手くいきます。きれいになった玄関を見て「すごい!きれい!」とオーバーにほめることを忘れずに。
 
④ ドライビングは、そもそも指示されることが好きではありません。ただ、任されるとモチベーションの上がるタイプです。
 
「今後、玄関を日本中のどの店よりもきれいにする仕事はあなたに任せます。頼んだね。」と、一番を狙う言葉と共に指示出しをすると、張り切って動いてくれます。
 
アナリティカルが悪い、エミアブルが優秀…という話ではありません。それぞれのタイプが行動を起こす時に大切にすることが、客観的な基準なのか、主観的な感情なのか、違うだけのことです。タイプに優劣はありません。
 
「あの人は気が利かない」と決めつけるのではなく、どういう言葉がけをしたら気持ちよく相手が動いてくれるかを考える方が生産的ですし、ストレスがたまりません。
 
自分の期待する行動を取ってもらえない時に、していないことに焦点を当ててイライラするのではなく、「しない理由をタイプ別にあてはめて考えてみる」と解決の糸口が見えてくるはず。
 
観察が重要です。トライしてみて下さいね!
 
あー、今日は難問でした。難問でしたが、とてもいい質問でしたね!
皆様に伝わったでしょうか。


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