「カレー味のうんこかうんこ味のカレー」漫才の台本
❶「突然なんだけどさ」
❷「なに?」
❶「カレー味のうんこかうんこ味のカレーだったらどっちが良い」
❷「でたー」
❶「何よ、出たって」
❷「みんながやるやつじゃん」
❶「まあ、そうだけど…」
❷「また、どうしていきなり?」
❶「いや、いい加減どっちが良い選択なのか多数決できめようと思って」
❷「なるほどね、じゃあいろんな人に聞いて最終的にこっちの方が多かったですよーってやるってことか」
❶「うんうん」
❶❷、向かい合ってはにかみながら頷く。
❷「馬鹿言ってんじゃないよ!」
❶「え」
❷「あの質問で答えまでたどり着くことなんてないんだから」
❶「え」
❷「いや、だから。「あーマジ疲れた」「お前、カレー味のうんこかうんこ味のカレーだったらどっちが良い?」「なんだよそれ」「良いから答えろよ」「どっちも嫌だ」「は、つまんな」「てか、めっちゃ喉乾いた」「コーラ飲みてえ」「まじ、さいこう」ほらね?」
❶「ほらねって」
❷「野球部男子球拾い中の会話」
❶「偏見がすごい」
❷「そんなことないよ」
❶「そうかな」
❷「球拾い中の野球部なんてみんなこの会話だから」
❶「みんな?」
❷「みーんな。野球かコーラのことしか頭にないんだから、あいつら」
❶「おっと、ちょっときわどいですよ」
❷「そんなコーラっておいしいかね」
❶「具体的な相手に噛みつくのはやめとこう」
❷「いやいや、だってあれ歯、キシキシなるじゃん、嫌なんだよあれ」
❶「高校球児とコカ・コーラ社を敵に回したよ」
❷「別に良いでしょ、そんなの」
❶「良くない!」
❷「え」
❶「熱闘甲子園に出れない!」
❶「球児の汗と涙を届けられない!」
❷「…お前、野球部だったけ?」
❶「ちがう」
❷「野球好きだっけ?」
❶「好きじゃない」
❷「何か一つのことに人生をかけて挑んだことあるっけ?」
❶「ない」
❷「うん、論外」
❶「でも、今カレーかうんこ論争に終止符打とうとしてる」
❷「だからね、それは無理なの」
❶「やってみないとわからんでしょ」
❷「ちょっと何か職業言ってみ」
❶「え?」
❷「職業」
❶「えーっと、警察官」
❷「警察官ね、「先輩、カレー味のうんこかうんこ味のカレーだったらどっち食べます?」「やめろよ食事中に」「ちょうどカレー食べてるんだからいいじゃないっすか」「まあ、どっちだろうな」「警視庁から各局、管内で強盗事案発生」「いくぞ」「はい」」
❷、したり顔
❶「んーじゃあ、カフェの店員」
❷「「はじめましてだよね?」「はい」「バイトリーダーの高橋です」「よろしくお願いします」「質問していい?」「はい」「カレー味のうんこかうんこ味のカレーだったらどっち食べたい」「えー」「あ、いらっしゃいませ」」
❶「宇宙飛行士」
❷「「three」「発射前に言い残しておくことはないか?」「two」「カレー味のうんこかうんこ味のカレーだったらどっち?」「one」「えー」「go」ごーーー」
❶「(食い気味に)全部タイミングの問題」
❷「え」
❶「全部タイミング、少しずれてたら答え出てるから」
❷「そんなことないと思うけど」
❶「いや、そうなんですよ」
❷「じゃあ、この手法つかわないから」
❶「手法って言っちゃってる」
❷「もうやらないから他の言って」
❶「職業じゃなくてもよい?」
❷「あー良いよ」
❶「じゃあ、デート中のカップル」
❷「OK「このピアス可愛くない? この前渋谷で買ったんだけどさ」「あーいいね。ね、カレー味のうんこかうんこ味のカレーだったらどっち食べれる?」「え?」「だから」「ちょっと待って、私の話は?」「え、聞いたじゃんもう」「は? いつもそうだよね。自分の話ばっかり」「いやいや聞いてるって」「もう私たち無理なのかもね」「ちょっと待ってよ」」
❶「続きが聞きたすぎる! もう、うんこかカレーかなんてどうでもよい」
❷「えー?」
❶「カップルの痴話げんかがこの世で一番面白いんだから」
❷「え?」
❶「耳が喜んでるわ」
❷「待って…、それじゃない?」
❶「何が?」
❷「カレーかうんこって汚いじゃん、皆聞きたくなくなるのよ」
❶「だから、結局答えがでない」
❷「そう」
❶「汚さゼロにすればよいのか」
❷「そうそう」
❶「何かあるかな」
❷「カレー味のトリュフかトリュフ味のカレーどっち食べる?とかは?」
❶「天才! 絶妙に悩む」
❷「これは流行るわ」
❶「答えも出るし」
❷「いやー悩むわー、トリュフ味のカレーだとトリュフを食べたことにはならないからな」
❶「でも、カレー味だとカレー食べてるのと一緒だし」
❷「んー」
❶「あ、漫才何分までだっけ」
❷「うわ、過ぎてる」
❶「終わらないと」
❷「結局トリュフとカレーどっちにするの?」
❶「あーー今度考えよう」
❷「了解」
❶❷「ありがとうございました」