自宅で過ごす最後の夜
例の悔やみの訪問は20時の人が最後だった(!)
そしてパパの兄弟は今夜泊まっていくという
(家族だけになりたい気持ちをなぜ尊重してくれないんだろう、、、)と思ったが、彼らにとっても一緒に大きくなった兄の突然の死
気持ちがおさまらないんだろうね
ただ、ひとつだけ
「今夜は誰も和室に入ってこないでください!」
これだけははっきり彼らに告げた
お線香を絶やさないとか、いろいろあるのはわかる
けど、今夜だけは譲れない!
弟さんたちが義両親の部屋のほうに入って、人気はあるものの、やっと少し静かになった
息子たちとわたしと、和室に横たわるパパのそばに行く
やっとまた4人になれた
ドライアイスが入っている彼の体はひんやりしているが、まだ皮膚は柔らかく、もともと色白だった肌はいつもと変わらなかった
3月頭、まだ寒さがあるので、息子たちがわたしのために毛布を持ってきてくれる
パパの頭に自分の頭を寄せて横になり、二重になった毛布にくるまる
息子たちが明かりを落としてくれて、部屋を出る
彼らも自室に戻ることなく隣のリビングで、心配しながらもパパとわたしの時間を尊重して、同じように毛布にくるまり過ごしている
パパの頬っぺたや頭、肩や胸にほほをスリスリして、最後の夜をふたりっきりで過ごす
わずか24時間前の出来事を思う
思うだけで息が苦しくなる
考えるのはやめたほうがいい
明日は忙しくなる
そんなことよりなにより、この夜を大事にしたい
パパと一緒に眠れる最後の夜だ
肌に触れ、キスをして、髪をなで、涙を流し、そしてまたキスをして
そうしているうちに眠りに落ちた
とても安らかな眠りだった
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