アダルトチルドレンが断れない・嫌と言えない理由ー無意識の選択ー
はじめに
今回のnoteでは、アダルトチルドレンが断れない理由、頼まれると嫌と言えない理由について考えていきます。
日常的に、誘われたら断われない、他人を優先してしまう、などの悩みを抱える人は多くいます。
しかし、アダルトチルドレンは悩みの深さが違います。
本来、成長過程で「自分の心に正直に生きる」という柱ができていきますが、アダルトチルドレンは「親や家族の機嫌を損ねないように生きる」ことが主題となってしまいます。
結果、断れない・嫌と言えないことが「生きづらさ」にもなっていくのです。
アダルトチルドレンの生育過程に目を向け、「断ること・嫌と言うこと」のハードルを下げ、口にする勇気が持てるよう、私自身の経験もお話していきます。
アダルトチルドレンが断れない・嫌と言えない理由
①生育環境をふりかえる
まず、あなたの日常をふりかえってみてください。
嫌だな、と思ってもつい引き受けてしまう
困っている人を見ると、放っておけない
断ると嫌われてしまうのではないか、と不安だ
嫌なことでも、今だけ辛抱すればいいと思ってしまう
頼みやすいから頼まれるのだと思うが、損な役回りだ
飲みや遊びの誘いはありがたいが、本当はひとりでゆっくりしたい
断ったあとに罪悪感にかられてしまう
いかがでしたか?
もともと日本人は、真面目で勤勉な人が多いです。
そのため、頼まれること・引き受けることは当たり前にあることです。
しかし、
「何でも頼まれたら引き受けてしまう」とか「断ったら嫌われる/もっと嫌なことが起こる」と考えてしまう場合には、性格ではないところに理由があるのです。
本来子どもは、親や家族(祖父母などの大人)から無償の愛を受けて育ちます。そこで、「ありのままの自分を受け入れて」もらい、自己愛や自己肯定感が育ちます。
ところが、アダルトチルドレンは、「親や大人の顔色を伺う」「嫌われないようにする」ことで手一杯です。
「親から与えられる愛情」を「自分自身で手探りで学び、身につけて」いかなければならないのです。
要するに、愛情をもらうために親や大人から言われたことに対して「YES」と答えるしかなかったことが理由です。
②無意識の選択
もうひとつの理由として、
無意識のうちに「断らない」「嫌だと言わない」選択をしていることがあります。
そんなはずはないと思うかもしれませんが、アダルトチルドレンの場合にはとても多いと感じています。
幼い頃
・十分な愛情をもらえず、寂しかった
・自分の話を聞いてもらえず、悲しかった
と感じている人は、向き合ってくれる人がどんなに大切か知っています。
・洋服も習い事も、希望を聞いてもらえなかった
・つらい、嫌だと訴えても、共感してもらえなかった
と感じている人は、共感してもらえることがどんなに貴重か知っています。
そのため、自分でも気づかないうちに「断らない」「嫌と言わない」ことが当たり前になっています。
つまり、「断れない」「嫌と言えない」のではなく、自ら選択して「しない」のです。
そこには、自分と向き合ってくれる相手、自分を必要としてくれる相手への無意識の配慮が働いているとも感じます。
私の場合
①演じ続けた優等生
私は決して器用な方ではありません。
勉強はできましたが、とりたてて秀才でもありません。
小学校から高校まで、努力して「優等生」を演じていました。
小・中学校と、学級委員や生徒会役員を努めていました。
頼まれたからというのと、役職が自分の存在価値のように思っていました。
今思うと、わざわざ悪目立ちしてイジメの対象になっていたようなものです。
自分でも薄々気づいていたものの、「親や祖父母が喜ぶから」やめられませんでした。
私にとって大事なことは、優等生であることが家族の雰囲気をよくすることであり、自分に課せられた宿題だったのです。
②頼られる快感と心身の悲鳴
社会人になって、生徒や同僚に頼られるようになり、アイデンティティが変化しました。祖父母が亡くなったこともありますが、頼られる相手は両親ではなく、周囲の他人になっていったのです。
自分の稼ぎで生活ができること、時間的な自由が得られたことは、自分嫌いの塊だった私を変えていきました。
・こんなに自信のない私でも必要としてくれる人がいる
・周りが困っているなら、無理をしてでも助けなくては
・独身で若い私が5,60代の先輩より多く時間を持つのは当たり前
職場にいる時は、自分に自信が持てていた。
だから、今でいう「ブラック」でも「過剰労働」でも気にしてもいなかったんですね。(実際土日は、丸1日指導して500円でした・・・)
しかし、頼られることイコール「自分を必要としてくれている」と捉えてしまっていた私は、ある日胸に差し込むような痛みを感じます。
痛みは30分ほどで嘘のように引けたのですが、原因は胆石でした。
それも、胆嚢の袋いっぱいに石と泥がたまっているような、検査技師さんもびっくりするほどの酷い状況。
「お姉さん何歳?20代でかかるような病気じゃないんだよね・・・」とエコーを当てながら呟いていたのを、昨日のことのように覚えています。
引き受ける際のルールと断るコツ
あなたが感じている生きづらさ。
それが「頼まれたら嫌と言えないこと」「嫌でも断れないこと」であるのなら、少なくとも「心が弱いから」とか「気弱な性格のせいで」と自分を責めるのは間違いです。
「断れない」のも、「嫌と言えない」のも、機能不全家庭で育ったことが原因なのですから。
ただ、社会で生活し仕事をしていく中では、そのまま放っておいてよいことはありません。あなた自身を守るためにも、「嫌であれば断る」ことを意識していかなければなりません。
私は、断ることに抵抗があったので、引き受ける場合のルールと断る理由をあらかじめ決めました。
休日の仕事であれば、片方なら引き受ける。土日丸々なら引き受けない。
どうしても引き受ける場合は、次週のうちに代休が取れること。
断る理由は、通院/実家帰省/別の予定など。
友達やグループのお誘いであれば、心身のゆとりがあれば受ける。疲れていたり、気乗りのしないものであれば断る。
断る理由は、職場の行事/通院/体調など。
こんなふうに書くと「嘘も方便」と思うかもしれませんが、決めていないと「いざ」という時に迷ったり悩んだりします。
私は、仕事であれば、断っていいくらい働いてきたと自負があるので気にしません。
おつきあいの誘いであれば、断って壊れてしまうならば、その程度だと思っています。
まずは、ご自分のルールを決めることからはじめてみませんか?
最後に
読んでいただき、ありがとうございました。
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