アダルトチルドレンの白黒思考がもたらす人間関係の難しさー曖昧さを身につける
はじめにー白黒思考とは
この記事では、アダルトチルドレンが陥りやすい「白黒思考」を取り上げます。
「白黒思考」は「二極思考」とも言い、0か100か、善か悪か、敵か味方か、YesかNoか、といった極端な考え方を指します。
「完璧主義」とも置き換えられますが、こちらは以前書きましたので、参考にしていただければと思います。
今回は人間関係を焦点に当て、他者や社会とのつながりの中で、どのようにして「白黒思考」を脱していったらいいか、私なりの考えをまとめます。
はじめに。
あなたは、次のような自覚がありますか?
人の好き嫌いが激しい
すぐに敵か味方か考えてしまう
問題が起きると、自分/相手がすべて悪いと考えてしまう
物事はすべて勝つか負けるかだと思う
勝ち組、負け組という言葉を過剰に意識している
世の中はお金がすべてだと思う
極端な例を挙げてみましたが、アダルトチルドレンの方にはよくある考え方です。
私自身、敵味方思考、勝ち組負け組思考が強く、何か悪いことが起きるとすべて自分のせいだと思い込んでいました。
だから、あてはまるからと言って自分を責めないでください。
白黒思考は病気ではないし、性格のせいでもありません。
あなたの生育環境が思考に影響を与え、物事や他者を極端に判断するようになったのです。
白黒思考になるまで
① 子どもはみんな白黒思考
アダルトチルドレンに限らず、人は誰でも「白黒思考」から出発しています。
幼少期は、善か悪かのように分かりやすい構図でないと理解できない、というのが理由です。
未就学の子どもは、接する他者は、親・兄弟・祖父母が主です。
そのため、
・お腹がすいた/寂しい・甘えたい/おもちゃがほしい
等の基本的欲求を満たされなければ不満=0、満たされ満足すれば100となります。
非常にシンプルで、「白黒思考」だからこそ自分の感情を素直に出す力を身につけていけるのです。
② 成長しても白黒思考に固執
小学校高学年~思春期の頃には人間関係はどんどん広がり、他者と関わることが増えていきます。
そこで、さまざまなケースバイケースを学び、漫画もドラマも複雑な展開が読めるようになります。
また、他者に感情移入したり、相手の立場を考えられるようになります。
多くの場合は、大人になる過程で「自分とは異なる他者の考え」や「苦手な相手・モノ・コト」を受け入れられるようになるのですが、アダルトチルドレンの場合は、うまく解決できないままになっているのです。
それは、機能不全家庭が影響しています。
親や祖父母が白黒思考である
親や祖父母が常に会社や周囲の人間を批判していた
お金に不自由で、常に親の愚痴を聞いてきた
失敗した時にひどく叱られたり、ペナルティを課された
勉強やスポーツなど、できないことを馬鹿にされて育った
よくできた時、親の機嫌がよい時だけ褒めらた
このような環境で育つと、他者を敵味方と捉える癖がつきます。
どれだけ頑張ったとしても、結局は結果がすべてと考えるようになります。
世の中には、勝者と敗者しかいないと極端な考えを持つことさえあります。
私の場合
私は幼い頃から両親の喧嘩、祖父母の喧嘩と、ガチャガチャした家庭に育ちました。
穏やかに食卓を囲んだという記憶がほとんどありません。
短気でDV気質の父、アル中の祖父に嫌悪感を抱いていました。
一方、比較的穏やかな母と面倒見のよい祖母が好きでした。
でも、母は常に父・祖父への不満から愚痴っぽく、何かにつけて不平不満を言うばかり。
祖母は腰が曲がって体が不自由なので、朝から晩まで私に、あれを手伝ってこれをお願い、と言うばかり。
次第に、他者を敵か味方か、無意識に判断する癖がついていました。
この人は自分を攻撃する人か?私を嫌いなのではないか?と。
また、大人の機嫌にふりまわされて、怒られたり叩かれたりすることが恐怖となり、少しでも失敗すると「自分はダメなんだ」「生きていても意味がない」と思い詰めていました。
これが後々、完璧思考につながり、生きづらさとなります。
世の中は勝ちか負けかしかない、私は負け組だと思っていました。
白黒思考を脱するために
① 曖昧さを許す
アダルトチルドレンは繊細で真面目な方が多いと感じます。
幼い頃から我慢してきたために、辛いこと苦しいことへの耐性が強いとも感じます。
しかし、「白黒思考」をそのままにしておくと、いつかは心と身体が悲鳴をあげてしまいます。
鬱、不安症、不眠など、すでに実際の症状を抱えている人もいるかもしれません。
「白黒思考」を脱するには、曖昧さを許すことが必要です。
世の中には完璧な人などいません。
親だからといって正しいわけではないし、先生と呼ばれる人が完全なわけでもありません。
そもそも他者は、あなたとは別の人間。
「すべてを分かり合えること」を求める方が難しいのです。
それでも、真面目なあなたには、相手の態度が中途半端と映ったり、いいかげんだと感じてしまうでしょう。
あなたの物差しを「目盛りぴったり」が基準なところから、「目分量でだいたいこのくらい」に変えていきましょう。
それは決して悪いことではありません。
② 心の「ゆとり」を持つ
曖昧さを許せるようになるには、あなた自身の心に「ゆとり」を持つことが大事になります。
心がストレスでいっぱいだったり、緊張で張りつめている状態では、何も受け入れることはできないからです。
まずは、今の心の状態に向き合いましょう。
ストレス、緊張、不安、焦り、はどの程度ですか?
とても苦しいのであれば、苦しさに向き合い、吐き出しましょう。
相談できる相手がいれば、ありのままに今の苦しさを伝えてください。
相談できる人がいなければ、紙を用意し、そこに今感じるすべてを書き出してください。
次に、幼い頃感じたストレス、緊張、不安、焦りに目を向けましょう。
「白黒思考」を生み出した原因を、自分自身が納得することです。
大人から、いつも0か100かを求められていたんだな、と気づくことがスタートです。
自分自身の生い立ちに悲しくなったり、やりきれなくなったりもします。
今さら原点回帰して意味があるの?と思うかもしれません。
でも、幼い頃のあなたに「あの時辛かったね。悲しかったね。」と声をかけ、寄り添ってあげてください。
時間はかかります。
それでも、何度も繰り返すことで、少しずつ昔の記憶を客観視できるようになります。
過去は変えられなくても、今を大切に生きてみようと思えるようになるはずです。
私はあなたを応援しています!
うまくいかない時は、コメントしてくださいね。
最後に
読んでいただき、ありがとうございました。
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