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「Tヒュームの世界」に寄せて⑧

「Tヒュームの世界」に寄せて⑧

いつもお世話になっております。

お陰様で本公演は
満席のお申し込みをいただいております。

本当にありがとうございます。

どんな演奏会でも、そうですが
カフェコンサートは特に
「おもてなし」の場だと思います。

オールヒュームのプログラムで
自分に挑戦を課した組み合わせではありますが
ヒュームの息遣いが伝わるような演奏を
お届けして
「T ヒュームの世界」を
私なりにお伝えできたら嬉しいです。

※※※

特に、今年の取り組みは
マレ、ドゥマシ、フォルクレなど
フランスの作曲家が多かったので
秋が来て、ヒュームの準備期間に入って
普段あまり使わない弓を出してきて
楽器の、弾く位置のテンションも工夫して
スモーキーな、ハスキーなイメージで
楽器の音色を整えていったことが
とても、勉強になりました。

それは、最初から
そのイメージがあったのではなくて
一つ一つ、音作り、音探し、音選びをする中で
そういう方向に楽器がなっていったという方が
正確かもしれません。

私にとって新しい領域なので
音色のコントロールという意味では
正直、不安で、怖いです。

けれど、楽器の扱いという視点はほどほどに
音のイメージ、フレーズのイメージ
曲のイメージに集中して
明日は演奏できたらと思います。

※※※

今回プログラムで取り上げる
ヒュームの「第一アリア集」は
117曲という膨大な小品による曲集です。

表題がついているものもあれば
舞曲の名称があてられているものもあり
長さも、それぞれまちまちで…

明日演奏できるのは
そのうちの、ほんの一部。

そして、組曲やソナタと異なり
区切りというものもはっきりなく
ただ、「一つの問い」「一つの答え」のように
対として考えたほうが自然に思えるものもあり
選曲し、プログラムを組む中で
試行錯誤しました。

ヒュームが、13番めに「死ぬこと」を
配置したかった話は
以前、ご紹介しました。
曲の並び順も
彼の意図、意思によるものかと思いますが
そのことについて
彼は、私達に何も
言葉としては残しませんでした。

今、私が興味を持って勉強しているのは
まだ、「心理学」という言葉も概念もない時代
人々が、「心」とその動きについて
現代風の表現が許されるならば
高次の世界とどう対話をして
どの様に、意識に刻んでいたか。
そして、そこから外的な方へと目を向けた時に
森羅万象をどの様に捉え、区分けし、
世界を動かす第一導引的なエネルギーを
理解しようとしたのか。

それは、一つの音の歌い方から始まり
フレーズの流れ、曲の展開
曲から曲の連なり、更には曲集全体に
生きている考え方だと思います。

もちろん、明日実際に演奏できるのは
曲集の中の、ほんの一部ですが
それでも、そういった見方を踏まえて
プログラムを組みました。

一つの曲集に
こういった形でフォーカスできて
とても、幸せです。

今回は、
ヴィオラダガンバカフェという形ですが
またいつか、必要に応じて変容を経て
再演したいと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします。

藍原ゆき

【演奏会のご案内】

藍原ゆきのヴィオラダガンバ カフェ 
Tヒュームの世界

2024/11/17(日)13:30開場、14:00開演

3500円(要予約)ワンドリンク&お菓子付き

会場:カフェヴェルデ
東京都世田谷区松原3-33-5
京王線、東急世田谷線下高井戸駅より徒歩3分

プログラム:トバイアス・ヒューム
『フランス、ポーランド等の第一アリア集
(キャプテンヒュームの音楽的ユーモア)』より
1605年ロンドン出版
「一つの問い」「一つの答え」
「キャプテンヒュームのパヴァーヌ」
「愛の別れ」 
「死ぬこと」「生きること」「再び善きこと」他

お問い合わせ、お申し込みはこちら
http://yuki-aihara.com/contact

当演奏会関連記事
https://note.com/shiny_dahlia839/m/m50242624b53b

#ヴィオラダガンバカフェ
#Tヒュームの世界

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