B・ヘリー「十全なるヴァイオル奏者」とはどういう教本か 藍原ゆき 2024年6月10日 15:52 新しくシリーズが始まりました。ヴィオラダガンバの教則本は現代に出版されたものもありよく体系化されているのでレッスンで使用することはあります。そして、私が必ずレッスンで使用しているのは17世紀末にロンドンで出版されたB・ヘリー「十全なるヴァイオル奏者」です。生徒さんの中にはヴィオラダガンバという楽器だけでなく当時の時代背景に強い関心がある方が多いです。バロック時代の教則本はそういった関心に直接お応えする魅力のあるものだと思います。B・ヘリー「十全なるヴァイオル奏者」はヘリーの死後、お弟子さんたちによって彼の指導法を伝えるために出版されました。出版にあたってはヴィオラダガンバ製作家として有名なB・ノーマンも尽力したことが記されています。序文では、記譜法について詳しく書かれていることが特徴です。このことにより当時は統一された記譜のルールが認識として浸透していないため地域によって、出版社によって様々なルールで記譜されていたことが伺われ他のファクシミリを読むための予備知識となります。中盤では、「詩篇の旋律」をヴィオラダガンバ1台で弾くために楽譜が載せられています。これは当時、よく知られたものだったようでJ・プレイフォードによって3声の楽譜が出版されています。そこには、長調、短調、知られた教会旋法のみならず大聖堂の名前などがついた独自の旋法があったことがわかります。後半は、B・ヘリーによるヴィオラダガンバ1台のためのアリアや舞曲の楽譜が載せられています。学術的なアプローチではなく演奏のためという、実用的な視点から解説を進められればと思っています。よろしくお願いいたします。B・ヘリー「十全なるヴァイオル奏者」解説①【藍原ゆきのヴィオラダガンバレッスン】https://youtu.be/JLTMIysw_9E?si=tOLFkxSetNtQI_0O いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #バロック #古楽 #バロック音楽 #古楽器 #ヴィオラダガンバ #藍原ゆき #古楽演奏 #ヴィオラダガンバレッスン #ヴィオラダガンバ教室 #ヴィオラダガンバ演奏