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「秋の思い出と今」~エディターコース★エッセイ講座より~

秋と春はいつも同じ扱いになりそうだが、やはり秋はちがう。空は高く、雲は薄く幾重にも重なる。秋は大きな大きな空を感じられる最高の季節。

これから寒い季節に向かうためだろうか。夏が来て活動的な季節に入ろうとする春とは違い、秋は本能的に守りに入る気がする。そう、せわしなかった春と夏。やりたいことをすべて詰め込んでバタバタと通り過ぎてしまうこの季節とは違って、秋から冬にかけては、したことを一つ一つ丁寧に引き出しにしまっていく感じ。冬の間はその引き出しから必要なものだけを出しては、丁寧に愛でて作業をしてまたしまう。私の行動と四季ををかけ合わせると、そのようなイメージになる。こうして一年はあっという間に過ぎていくのだ。

あれは秋から冬にかけてのことだったと思う。

父は以前から黒いほくろの話をよくしていた。だいたい擦れたり、よく当たる部分に黒いほくろができると良くない。その黒さも普通のほくろとは違い黒の色が濃かったら、本当に注意した方が良い。

その黒いほくろが父の足の裏にできた。それは徐々に大きくなっていき、もうこれはただごとではないと父が騒ぎだしたが、小学生の私はただ見守ることしかできなかった。その話を父がするたびにハラハラしていたが、決めたら行動の早い母だったので、医者にかかったと思ったらもう手術の日程が決まり、不安で泣きたい気持ちはあったけれど泣く前に解決してしまった。

その手術の後、父は杖をついて、散歩に行こうと誘ってきた。父は家族と一緒に歩く練習をしたかったらしい。私は外に出ることが大好きだったし、その散歩の時間が夜だったことにワクワクして仕方がなかった。
杖をつく父を先頭に母と私が後から続く。このゆっくりのペースで後ろを歩くのが最高に楽しい。後ろを歩いていると何をしていても注意をされないのが良い。夜の楽しさとは別に自由を手に入れ、私の気持ちは子犬のようにピョンピョン飛び回っていた。

秋だったけれど、今より気温が低かった秋。夜のお店のネオンや家の明かりが温かみを増す。心地よいすんとした空気の中、散歩した忘れられない思い出である。

今は秋と春がなくなったというが、私は違うと思う。夏の気温のように暑くても、9月下旬になれば空は大きく高くなる。夏の厚みのある入道雲は、しだいに幾重にも重なる薄い雲にかわり今年もすっかり秋の空になった。気温は高くてもしっかり秋へと変化しているのだ。

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へんいちさん ~エディターコース★エッセイ講座~ より掲載

久しぶりにへんいちさんのエッセイ講座を受講しました。最近は忙しいのを理由にひたすら読者側に回っていたのですが、皆さん上手になっているのが羨ましくて、羨ましくて。読みながら、私も挑戦したかったなと、いつも思っていました。

今回は題材を見て少し書けそうな気がして挑戦しましたが、まさかの赤字だらけの修正。今までたくさん教えて頂いていたのに、まるで身についていないようで、教えてくださるへんいちさんに大変申し訳ないなと思ってます。

でもでも、赤字を修正してみたらこんなに読みやすくなりました~!
ということで、へんいちさんのご指導のたまものを、この場でご紹介できて良かった!ということにしたいと思います。

今後とも、これに懲りずによろしくお願いいたします!

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