じかん。
父の面会、母だけ行ってくれた。
病棟の看護師さんにも
娘も来ます、と母が伝えていたのに
出掛ける時刻が気になり、
息苦しく、胃が痛くなって
かつて
出勤時に毎日そうだったように
咳き込んで止まらず
母に、アカン、と言い、
部屋で、いたいいたい、と
呻いた。
母が出掛けた後、
いろいろな思いが湧いてきた。
父に、申し訳ない気持ち
母にも、謝りたい、
そして、悔しく、悔しく、
悔しかった。
だいじなときでさえ、
ままならない自分自身が。
ゆっくりしときぃ、と
階下から母がかけたことばにも
なにも返せずにただ、泣いていた。
面会から帰宅した母は、
私を責めたりしなかった
いまは、父のことが最優先だ。
ひとりで、近くはない病院の
往復をする母。
ちいさなパンの、
半分だけ食べたという父。
刻々と過ぎていくじかんの前で、
虚ろな心を なにで充たせば
いいのだろう。