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話す

初七日を終えて
なにかの糸が切れたように
猫たちと部屋にこもりたくなった
父の不在が
おおきくおおきく、
なにをするにも
眼の前を塞ぐようで

決して仲の良い親子ではなく
親孝行な娘でもなかったけれど

性格の違う母と私の
あいだを繋いでくれていたのは
父だったのだと
いまになって

毎晩のお参りも、
今夜は部屋でひとり
お経をあげた

猫たちが、ひらひらと
跳ねまわり、
私は父と話すように
お経を、あげた。


2025.2.13 写す

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