広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第2話 リムはパパの許へといきます! (5)
第2話 リムはパパの許へといきます! (5)
それも自身の両目を濡らしつつ。
しくしくと、無言で姉上と謝罪をすれば。
「はぁ~、そうなのね、リムは……」と。
姉上の口から大きな嘆息と呆れた言葉が漏れる。
だからリムはまた魔法の詠唱を中断して、
「姉上、本当にごめんなさい」と謝罪を入れる。
リム自身が本当に悪い娘。
聞き分けのない娘。
親不孝者だと本気で思うから。
姉上へと謝罪をした。
「じゃ、私もリムの言葉を信じて、あなたと同じようにあのひとの許へと行くわ。良いでしょう、リム?」
姉上がリムへとニコリと微笑んでくれたのだ。
リムの夢物語、奇跡のようなお話……。
青銅の魔法の鏡の先に映る、別の世界の殿方……。
そう、リムと姉上の父上さまだった竜神さま、カイトの転生者である殿方……。