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広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第8話 宅配へとレッツ! ゴォー! (2)

#創作大賞2023
#お仕事小説部門

 第8話 宅配へとレッツ! ゴォー! (2)

 そう、乙女のような可愛い声が漏れるから。

 リムの顔は忽ち緩み、眉毛も、目もヘの字となりながら、ニヤリだよ。

 ライザ伯母上の顔を見ながら、リムはニヤリと薄ら笑いを浮かべると。

「うっ、ふん。ライザ伯母上、乙女のように可愛いのだから。うっ、ふん」と。

 リムは二度も意味深にライザ伯母上へと微笑みかけながら告げた。

「もう、リムは、年上を揶揄するもんじゃない」と。

 ライザ伯母上は、いつの凛と勇んだ容姿の……。

 姪であるリムが見てもカッコ良い御姉さまと思うような。

 いつものライザ伯母上の面影はなく。

 自身の顔を薄い桜色に染め、可愛く、いじらしく振る舞いながら。

 それでもちゃんとパパのお妃らしく。

 自身に甘えるパパのことをハグしつつ、頭を優しく、満足そうに撫で、労りながら。

 リムへと不満を漏らしてきた。

 だからリムはライザ伯母上へと。

『ふふふっ。ライザ伯母上さま、リムにそんな態度をとってもいいのかなぁ~? パパがライザ伯母上へと王さまらしく、素直に甘えてきたのは誰のお陰なのかな~。ふふふっ』と。

 小悪魔さま的に薄ら笑いを浮かべながら告げてやりたい衝動に駆られるのだが。

 岡山から帰宅後に、ライザ伯母上へと捕まり。

 お尻ペンペンの刑……折檻を受けるのが嫌だし、怖いから。

 自身のお口にまたファスナーで。

〈ジィ~〉と音を出しながらチャックをした。

 だからそんな仲慎ましい二人……。

 ライザ伯母上が竜神さまをハグしながら、ナデナデ、労る様子をお客さま達が見て──。

「ちょっとマスター! 何してくれてん、のん! 俺らのライザ様にー!」

「ああ、マスターがライザ様の胸で甘えているじゃありませんか~」

「ちょっとマスター勘弁してよ。ライザお姉様は、俺達の物だから」

「もう、マスター! 直ぐにライザ様から離れろー!」

『離れるんだぁっ! マスター! 今直ぐに!」と。

 みなさんは憤怒しながら不満を漏らす、罵声を吐くのだが。

「お前等なぁ、ライザは俺の嫁だぞ! 嫁相手に、主の俺がいくら甘えようが自由だろうがぁっ!」と。

 家のパパ、竜神さまは、未だお若い神さまだから直ぐに切れ、悪態をつくから。

 ライザ伯母上の親衛隊のおじさま、お兄さま達にリムは、自身の心の中で、手を合わせつつ。

(ごめんなさい)と謝罪をすれば。

「ライザ伯母上、後はよろしくおねがいします」と。

 リムは微笑みながら告げる。

「あいよ~! リム、行ってらっしゃい~! 気をつけていくんだよ!」と。

 今度はいつものライザ伯母上さまらしい。

 凛とした涼やかな声音での台詞が返ってきたよ。

 でっ、その後は、ライザ伯母上の親衛隊のおじさまやお兄さまと口論をしていたパパが。

 お客さま達との言い争いを中断──。

 リムの方へと視線を変え。

「気をつけてなぁ」と。

「いってらぁ~」と告げてくれる。

 だからリムは満身の笑みを浮かべながら。

「じゃ、パパいってくるねぇ~」と。

 リムはパパへと大袈裟に手を振り、踵を返せば。

【皐月】の方の出入り口ではなく。

 我が家の顔の本来の顔である玄関先……。

 そう居住スペースへの敷居である扉へとリムは向かい。

 扉のノブを掴み、握ると。

〈ガチャ、ガチャ〉と音を立てながら扉を開け──。

 玄関へと向かうとリムは靴を履き、玄関の扉を開け、締めして。

 玄関の鍵を〈ガチャ、ガチャ〉と締めれば。

 その後は踵を返し、リムは周り、辺りをキョロキョロ、ソワソワと確認──。

 リムの碧眼の視界に人目、人気がないかを確認すれば。

 リムはブツブツと魔法の呪文を唱えるの。

 先ずは自身の身体を透明化にするためにね。

 そしてリムの詠唱が終わればこの通りだ。

 リムの身体は、人の目には映らない透明化! 透明人間になる。

 でっ、なればね。

 今度はリムは勢いよく、空に向かってジャンプ! 

 そのまま魔法の詠唱を再度唱えるの。

 リム自身が空中──空へと浮かぶ武空魔法を使用しするの。

 そしてリムの身体が空──空中へと浮かせると。

 リムはね、更に魔法の呪文を詠唱するの。

 すると今度はね、リムのこのツインテールの髪が逆立ち──神々しく、麗しく、光り輝くと。

〈ドーン!〉だ。

 ドーン! と、爆発音の効果音が鳴るとね。

 リムはこの通りなの。

 自身の容姿が神々しく、光り輝く《《黄金色のドラゴン》》──。

 そう、リムは金色に光り輝く、巨大な竜へと変化をした。

 だからリムは、金色のドラゴンへと変化をすればね。

 自身の背にある大きな翼──。

 二翼を使用──羽ばたかせながら。

 リムは次世代の美と祝福の神、女神……。

 竜の姫巫女さまになるから。

 母上のように地上へと祝福、幸福……。

 みんなが幸せな気持ちになることが可能な光の粒子を上空からまき散らしながら。

 リムは出前、宅配──。

 家のお仕事、お手伝いをするために。

 リムが暮らす広島県広島市から、隣の県である岡山県、岡山市へと向かい。

 自身の羽を大きく羽ばたかせながら。

 それも嬉しそう。

 楽しそう。

 リムは空中遊泳を、散歩を楽しみながら。

 家の広島お好み焼きを待ち望んでいるお客さまの家へと向かう。

 ◇◇◇

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