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広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第9話 リムは岡山市の上空で困惑…… (1)

#創作大賞2023
#お仕事小説部門

「えぇ~と! えぇと! 何処だろう。場所は?」と。

 リムは独り言を呟きながら目視……と言っても?

 自身の魔力、魔法を使用して、スマートフォンを自動操作──。

 今回の宅配先であるお客さまの家の位置をナビとマップ検索で探索しつつ。

 リムは自身の黄金色に、神々しく輝く身体に付属する。

 巨大な翼を優雅に羽ばたかせ、動かす度に。

 自身の翼から、キラキラと光り輝く粒子をね。

 地上へと撒き散らしながら。

 地上に住む人や道を行き交う人達へと幸福……。

 そう誰もが幸せ、楽しい気分へと安易になれる。

 祝福を地上へと撒き散らしながら。

 リムの視界──左右に高いビルが多々立ち並ぶ。

 国道二号線のバイパスの上──上空をね。

 二号線に沿って広島市、東広島市、竹原市、三原市、尾道市、福山市と、を抜け。

 隠形しながら飛行──。

 その後は県境を越え、笠岡市、倉敷市、玉野市、岡山市へと、リムは入ったの。

 でもね、やはりリム自身が初めて飛んでくる岡山県、岡山市だからね。

 いざ岡山市に入ってみると。

 広島市ではないから、リムも勝手がわからず困惑している。

 だから先ほどリムが説明をした通りでね。

 リムは自身の魔力を使用しながらスマートフォンを遠隔操作──。

 グルグル先生へと訊ねながら、ナビゲーションシステムを使用し。

 お客さまの家を、探索をし続けているのだが。

 やはり勝手がわからず、岡山市の上空でキョロキョロと。

 リムは辺りを見渡し続けている。

「えぇ~と、あれが。岡山市の烏城と後楽園よね」と。

 リムは独り言を呟きつつ

 スマートフォンのナビゲーションの画面と、烏城とを交互に見詰め、指さしながら。

「う~ん、う~ん」と唸り、思案をすれば。

「あっ! そうか! そう言うことなのか」と。

 リムはスマートフォンのナビゲーションの画面を見て呟くと。

「……と、言うことはあっちかな?」と。

 リムは独り言を漏らしつつ、目的地の方角を指をさす。

 リムは、自身の目的地である。

 お客さまの家の方角が完全にわかる。

 理解することができたから。

 今度リムの口から漏れる。

 放たれる言葉といえば。

「やったぁ~! やったぁ~! パパやライザ伯母上に。お客さまの家までナビゲーションしてもらわなくても。リム自身の力でここまでこれた上に。お客さまの家まで分ったよ。だからリムは凄い! 偉い!」と。

 リムは、自分自身を自画自賛しつつ、歓喜の声をあげると。

「よーし! いこう! 早くお客さまの家までいってあげないと。お客さま達が、自身のお腹を鳴らしながら。リムが届ける広島お好み焼きを首を長くしながら待っているだろうから。早くいってあげよう」と。

 またリムは独り言を呟くと。

「よーい! ドン!」と。

 体育の授業のリレーのようなかけ声を上げ──。

 一気にこの場からリムは離れるの。

 自身の翼を力強く動かし、羽ばたかせながら飛び、飛行──。

 するとリムの眼下に岡山市のシンボルである岡山城こと、

 漆黒の烏色した烏城が見えるから。

「そう言えば以前、パパに岡山市の烏城と後楽園には。母上と姉上と四人で。我が家のマイカーでドライブへと連れてきてもらったことがあるよね。そう言えば……」と。

 過去の懐かしい思い出……。

 そうリムとパパ……。

 そして母上と姉上の四人で岡山市へと。

 ドライブ観光へと連れてきてもらった時のことを。

 リムは懐かしく思い。

(ああ、あの時は楽しかったなぁ~)と思い。

(またみんなでドライブへといきたいなぁ)と。

 リムはまた自身の脳裏で思いながら飛行を続ける。

 だからリムの脳内へと直接──。

「(おーい! おーい! リム! 聞こえているかぁ~、俺の声がぁ~? おぉ~い、リム。大丈夫なのかぁ~?)」と。

 リムの心配性で過保護な竜神さまからの声が聞こえてくる。

 でもね、リムは、あれだけ悩んでいた目的地であるお客さまのお家もわかったから。

 大変に御機嫌がいいの。

 だからこの通りだよ。

 パパのリムの、脳内への直接会話に対して無視──。

「(おーい? おーい? リム大丈夫か?)」

「(リム大丈夫なのか?)」の呼びかけを放置して。

「ふっ、ふふ~ん♪ ふぅ~ん♫ ふっ、ふふっ♪」

 リムは鼻歌交じりでお空の飛行──。

 そうリムは、岡山市の上空を飛行しながら。

 自身の眼下に広がる街並みを見ては。

「わぁ~。きれい」、

「凄い」、

「こんな感じなんだ~」、

「リムの住んでいる広島市とはやっぱり、街の作りが違うから面白いな~」と。

 リムは歓喜の声を上げつつ。

 楽しみ、酔いしれ、堪能をしているからね。

 パパの口煩い呼びかけを無視──。

 まあ、無視を続けて飛行をしていると。

 今度はリムの主さま、竜神さまはね。

 更に大きな声色でね、リムの脳内へと直接呼びかけてくるの、こんな感じでだよ。

「(おい! こらっ! リム! リムー! 俺の声が聞こえているのか? 聞こえているのならば返事をしろリム?)」とね。

 だからリムの主さまの慌てた声音での台詞を真横で聞いているライザ伯母上も慌てふためきながら。

 リムの脳内へと直接リンク──。

 海斗の慌てふためいた声音での問いかけが更に放たれる、だけではなく。

「(お~い! お~い! リムー! あんた、大丈夫かい? 大丈夫でないなら。うちが今からリム、あんたの許へといくよ?)」と。

 口煩いパパの言葉を放置──。

 素知らぬ振りを決め込みつつ、岡山市の上空飛行していたリムに対してライザ伯母上が。

 リムの許まで今から飛行してくると告げてきたの。

 だからリムも、このまま口煩い、小姑のようなパパのことを放置──。

 無視を続けながら、お客さまのお家まで飛行を続ける訳にはいかなくなった。

 だからリムは、自身の耳元まで裂けた大きな口を開け──。

「(あっ! パパとライザ伯母上ごめんなさい……。ついついリムは、上空から初めて見る岡山市の光景に魅入ってしまい。ボォ~ッとしていました。本当にごめんね。パパ……。そしてライザ伯母上、心配をかけてごめんなさい。本当に二人ともすいません……)」と。

 リムは自身の額や頬、背から。

 汗! 汗!

 そう冷や汗をかきながら肩を竦め、リムの御主人さま、竜神さまとライザ伯母上へと慌てて謝罪をしたの。

(ああ、家に帰宅をしたらパパとライザ伯母上に叱られるだろうなぁ……)と。

 リムは思いつつ。

「はぁ~」と大きな嘆息を漏らす。

(カクヨム)
(30)

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