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測ることは、行動すること。

今週は珍しく東京に2泊。

朝の電車で通学する小学生、中学生を見ていると、地方と東京の子供の環境は全く違うのだとあらためて感じる。うちの子供たちが東京の生活をイメージできないのと同じく、東京の子たちも地方の生活をイメージできないだろう。

どちらの環境がいいとは思わない。そんなことはわからない。どちらもメリットデメリットがあり、子供たちに知っておいてほしいのは今の環境がすべてではないということ。環境は選ぶことができるし、自分で変えることもできる。

今回の東京行きは、「ソーシャルインパクトを測る」という2日間の研修に参加するためだった。

以前から貨幣価値に換算できない社会価値を測定できるようになりたいと考えていた。僕たちが京都で支援している事業者は、社会に経済的な価値を生み出しているだけではなく、社会価値や環境価値を提供している。だけど、一般的にその企業を評価する方法は、売上高と利益、社員数などでしかない。その会社自身が競争により成長しなくても、ビジネスモデルを模倣してもらうことや共創により他の主体の力を借りながら社会課題を解決していく方法もある。そうしたこと考えは理解するけれど、実際にそうした企業をどのように評価するのか。

参加するまでは貨幣価値に換算できるようになりたいと考えていたけれど、「測る」ということは貨幣換算だけではないということが大きな気づきだった。問われているのは「なぜ測るのか」だ。

実務家の僕たちが測る目的は、他者にソーシャルインパクトを説明することで行動を促すこと。もう一つ、ソーシャルインパクトを起こすための手法そのものをブラッシュアップすることだ。

話を聞いていて分かったことが、ソーシャルインパクトを正確に測ることなど不可能だということ。そして「正確に測れないからといって、測ることを諦めない」ということ。

なんのための正確さなのか。結果から意思決定をするためなら、近似値で構わない。しかし、測っているということが大事。

経済、社会、環境のトリプルボトムラインに配慮したビジネスをしている企業が増えてきていて、その優位性も感覚的に明らかにありつつある中、提供している社会価値を定量化して示すということは、多くの企業にとっての課題だ。

今回参加していた人たちは、NPO、中間支援組織、大企業のマネージャー、戦略コンサルタント、経営者、CSRコンサルタントなど。本当に多様な社会課題に取り組む人たちで、なにより勉強熱心だった。

ソーシャルインパクトを測るということは、これからどのセクターにおいても必要な考え方になってくるだろう。

測るということは、意思決定し、行動すること。



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田中 慎
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