宮崎の神話⑥
さて、宮崎の神話も最終章です。
お乳岩の伝説と神武天皇
海の宮で釣り針も見つけて、陸に戻った山幸彦の元に豊玉姫が現れて、「これから出産します。決して中を見ないように。」といいます。
そこで山幸彦は、大急ぎで海辺の洞窟に産室を建て始めますが、見るなと言われれば見たくなるもの…
山幸彦は中を覗いてしまいます。
すると中では大きなワニ(鮫とも龍とも言われています。)の姿がありました。
それを見られたことを嘆いた豊玉姫は産まれたばかりの子を残して去ってしまいます。
しかし、洞窟の岩から滴り落ちる水を乳代わりにして、その子は見事に育ちました。
これが鵜戸神宮に今も残る《お乳岩の伝説》です。
鵜戸の洞窟で産まれた鵜葺草葺不合命は、
神武天皇の父となった。
産室の屋根に鵜の羽根を、充分に葺き終わる前に産まれたこの子の名前は、《鵜葺草葺不合命》です。
やがて母・豊玉姫の妹で叔母になる玉依姫を妻として、四人の子どもをもうけます。
その末っ子が神倭伊波礼毘古命です。
神倭伊波礼毘古命は、日本の中央部に国を開こうと思い、大勢の供を率いて美々津から船出して、東に向かいました。
美々津から東をめざす。
後に大和地方を平定して国を開き、橿原の宮を建て第一代の天皇となりました。
この神倭伊波礼毘古命こそが神武天皇です。
日向は天皇家のふるさとになったのです。
神武東征。神話から歴史への入り口。
幼少期を今の西諸県郡高原町あたりで過ごしたとされる神武天皇は、長じて宮崎へ移り、兄・五瀬命らとともに国家統一を思案し始めることになります。
その時の皇居跡が宮崎市平和台公園の近くにある【皇宮神社】です。
すぐ近くには神武天皇を祀る【宮崎神宮】があります。
この地から天下を眺め渡した時に、
「やはりどうもここは西に寄りすぎているのではないか?」
ということになり、兵をまとめて美々津の港から東を目指しました。
これが【神武東征】です。
この時点で日向三代の神話は終わり、物語は神話からそろそろ歴史の入り口へと移り変わっていきます。
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