掌小説「1960年の夏」
written by Shinta SAKAMOTO
-ある瞑想家の手記-
Date 20??.9.28
Place 瞑想図書館
昨晩、家に帰ってきた時、家の前の空き地に小さな警察車両が停まっていた。空き地のひと区画に、いくつかの目印が貼られていた。
私は特に気にすることもなく、妻と夕食を食べて、早々と眠りについた。
今朝、散歩から帰ってきたら、家の中に一人の見知らぬ子が入ってきていた。3歳くらいの坊主頭の男の子だ。
妻が「私が言っても出て行かないの」と嫌に焦燥している