師匠の遺言 〜伝わる言葉の上達法〜

師匠に口酸っぱく、言われ続けていた事がある。

「コピーが上手になりたいなら、毎日書け」


毎日、書く。

一般的な訓練の一つ。
これ自体は禁術でも、一子相伝の殺人拳法でもなんでもない。 

noteでも、毎日継続をしている人が多い。

ただ、

なぜ「毎日」なのか?

なぜ2日に1回ではダメなのか?

そのことを昔、師匠が教えてくれた。

「いいか、毎日欠かさずに書け。 

コピーは筋トレみたいなもの。やったらやった分だけ身につく。ただし、1日書かなかったら、1日分衰える。だから、特に文書を書きはじめた時は毎日書き続ける必要がある。」


運動部だった僕は

「筋トレは2日〜3日に1回がいいらしいですよ」

と、のどまで出かけたが、60歳にもなる尊敬する名コピーライターの言葉。大人しく頷いた。


「俺が若手の頃は、毎日、その日あったことを、人に伝えるように文書にして、最後そこにタイトルをつける。これを毎日欠かさず何年か繰り返す。」

「そうすると、あるときフと書けるようになる。最初書いた文章と比べると、驚くほど違う文書を書けるようになる。だけど30日は続けないと、この境地にはたどり着かない。多くの人がそこにたどり着く前に、続けることをやめてしまう。

「だからいいな、毎日、休まず、30日、続けてみろ。見える世界が全然違ってくるから」


僕は思った。

(……それ、noteじゃん)


毎日書くことは普遍的な学習法なのか、今言われていることを師匠が先取りしてたかはわからない。

とにかくnoteを続けることは、結果的にベテランのコピーライターのいう文章力訓練法になっている。


「書く時間ないな、ちゃんとしたもの書けないな」

と、続けなくていい理由を探していた今日、

踏みとどまらせてくれたのも、この言葉だった。


ちなみに、師匠はご存命で、
今でもバリバリ働いている。

退職される、あと数ヶ月の間は、少なくとも。


「毎日、欠かさず、書き続けること」

この言葉が、退職を前にしたベテランコピーライターから、駆け出しのコピーライターへの遺言のように思えてしまい、ついに筆をとった。

そんなこんなで、6日前からnoteを続けているが
この6日間は何も言われていない。


この言葉を、
いつ言われても、いいように、明日も、書き続ける。

「毎日、書き続けてるか?」


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