第3回 柔らかく楽しい通信
こんにちは、ビブレンスのIT&クリエイティブ部門を担当する ST です。
さて、楽天モバイルがようやくプラチナバンドを手に入れることになりましたね。
これで他3社とある意味公平な戦いを繰り広げられるようになるのかどうか?!
振り返ればソフトバンクもボーダフォンを買収して携帯事業をスタートした頃はプラチナバンドがないままに苦労したかと思います。数年後にプラチナバンドを手に入れたわけですが。
ちょっと話はズレますが、孫さんと三木谷さんはまったく異なる経営者に見えます。
孫さんも三木谷さんも先見の明という意味では天才ですが、孫さんは既存の企業を買収して事業拡大していくと同時に、大きな投資家でもあります。
一方、三木谷さんは自分で一から新しい土台を作り事業を展開していく開拓者のように思います。
ソフトバンクがボーダフォンという携帯事業を買収してモバイル事業をスタートしたのに対して、楽天モバイルは一から基地局の設置などを進めてモバイル事業を立ち上げていった形です。もちろんauの協力などもありますが、基本的には一からの開拓です。
どちらが良い悪いではなく、孫さんは時代の流れを汲んでそこにあるものをうまく取り込んでいく。三木谷さんはガッツと資金力で新しい土台を作っていく。
話を戻しましょう。
楽天モバイルが今の料金体系のままで、プラチナバンドの展開により電波が入りやすくなると、コストパフォーマンスは最強となるのではないでしょうか。
ただし、収益体制を考えると値上げせざるを得なくなるような気がします。
それでも、例えば1000円値上がりして、最大料金が毎月4000円になったとしても、それでデータ通信無制限であるなら、まだまだ他の3社よりも安いと思います。
むしろ他の3社はここに来て基本料金や通信料金の実質値上げに向かっているように見えます。
ドコモが大きく提示する料金についても、ドコモ光割や家族割などの割引を適用してあの価格です。
だれもがドコモ光を使ってるわけじゃないし家族でドコモを使ってるわけじゃないですね。
僕はこの15年でいえばドコモ、ソフトバンク、そしてこの3年は追加で楽天モバイルを併用してきていますが、まだプラチナバンドの展開がスタートしていない楽天モバイルは、スタート当初こそかなり電波エリアが厳しかったですが、少なくとも関東圏で動いている範囲ではだいぶ使えるようになってきました。スピードも速いですし。
反面、ドコモの電波問題は1年経っても一向によくならないですね。 なかなか電波が安定しない、スピードが出ない。
個人的な感想ですが、かつていろんな意味でNo.1だったドコモはサービス全般において胡座をかき過ぎた気もします。
モバイル通信の電波状況というのは基地局の細かく絶妙なチューニングが必要です。4Gから5Gへと変わる中でドコモにはハイクオリティーの実行部隊やエンジニアがいないのでしょうか?
元々国営繋がりであるドコモが今やスピードが最悪で、同じく国営繋がりであるauは2年前に数日間電話が繋がらない大規模障害を起こしました。
その一方で、いまやソフトバンクは電波の入りやすさやスピードもNo.1、そして楽天モバイルはコストパフォーマンス(料金、パケット無制限、スピードのバランス)で先端を突っ走っています。
また、楽天モバイル以外の3キャリアの料金コースや体系はいろいろあって煩雑で分かりにくいのに比べ、楽天モバイルは料金コースも一つしかなく、とても分かりやすいです。
いろんな要素が複雑に絡み合う中で、4大通信キャリアがそれぞれ提供するサービスの魅力とは?
サラリーマン社長のドコモとau、創業社長が引っ張ってきたソフトバンクと楽天モバイル。
僕はトップのその違いに大きな何かがあると個人的には思っています。
但し、細かく考えていくと、今後の楽天がトラフィック対応に使う700MHz帯と1.7GHz帯の間を埋めるには相当なチューニングのノウハウがいるでしょうし、10年間で1万局、500億円の投資をできるかどうか?!
いまや一番いい感じのソフトバンクでさえ、プラチナバンドである900MHzの免許が下り3年間で2兆円投資してもまだ繋がりにくいと言われ、その後さらに細かなチューニングを10年やってようやく現在のソフトバンクの状況になっています。
楽天モバイルと他3大キャリア、日本の通信業界の未来はいかに?!
また、一段落したように見えるMVNOの未来は?
話し始めるとキリがないので今回はこの辺で。
ちなみにいまの僕は一つのスマホにドコモの物理SIMカードと、楽天モバイルのeSIMを入れて、状況に応じて使い分けています。
今後はさらに複数キャリアを使い分ける時代になるのかもしれません。
それでは、また来週! Just Rock It !