動画撮影で必要最小限の機材の選び方(ミラーレス一眼カメラの場合)
初心者の方がこれから映像制作を始めたい方に向けて揃える機材について参考になればと思い、ここでは動画カメラマンとして必要最小限機材の私の選び方を述べたいと思います。※2023年9月時点
①カメラ
②レンズ
③SDカード
④NDフィルター
①カメラ
まずはカメラについてですが、ほぼ全てのミラーレスカメラで動画が撮影出来ますので極論好きなカメラを使えばいいとは思うのですが、それだと話が終わってしまいますので、選ぶポイントについて述べたいと思います。
・4:2:2 10bit で動画撮影が可能なこと
これからカメラを選ぶ方にとっては何のこっちゃというワードかと思いますが、簡単にいうと「色の情報」と「その色の諧調」を多めに持っているということになります。
「色情報」と「色諧調」が多く持っているということは、後の編集作業時に有利となり最終的にキレイな映像を書き出すことに繋がります。
また「4:2:2 10bit」で撮影できるということは動画撮影で使われることを意識して作られたカメラであるという指標の一つにもなると思います。
・ボディ内手振れ補正が付いていること
この機能が付いていることにより、手持ちでも手振れが少なく撮影が行えるということになります。ボディ内手振れ補正が付いていないカメラですと、三脚やジンバルに載せないと安定した画を撮ることが難しいです。
撮影するためにその機材を持ち出さなければいけないというところで、機動性を下げてしまいます。
手持ち撮影で機動性を上げて、どんどん撮影していくというスタイルが筆者のオススメです。逆に三脚やジンバルに載せて撮ることでテンションが上がって撮影意欲も高まるといった場合は、もちろんそれもOKだと思います!
②レンズ
初めてのレンズにオススメなのは、24-105mm F4のズームレンズです。
動画カメラの最初の1本はこれ一択と言っていいくらいかと思います。
広角から望遠までカバーしており、数あるズームレンズの中でも最も汎用性があるレンズとなります。
似たような焦点距離のズームレンズでは24-70mm F2.8がありますが、こちらのレンズは大三元という名称で括られる高価格帯なレンズなため、購入するにはある程度の覚悟が必要かと思います。
覚悟が決まっている人にはオススメの一本です。
③SDカード
スピードが速いSDカードを買っておけばいいくらいの感覚で選んでしまうと後で後悔するので、ここはしっかり理解しておきたいところです。
動画用のSDカードには明確な選び方がありますので解説します。
動画ではビデオスピードクラスという値を見ます。
具体的にはV6,V10,V30,V60,V90と5つの種類があります。
この値の意味は何かというと、最低保証してくれるデータ転送速度となります。簡単にいうと「少なくとも○○の速度までは保証しますよ」ということです。
例えばV30の場合ですと、1秒間で30MBまでのデータ量はSDカードへ書き込むことを保証するという意味になります。
このV○○の記載がないSDカードは、データ転送速度の保証がなく、
「最大でこのスピードで書き込みますよ」という指標しかありません。
あくまでベストエフォートなので、「最低の場合の速度はいくつになるかわかりませんよ」と言っているのと同意です。
ここまででV○○の記載があるSDカードを選ばなくてはならないということは理解いただけたかと思いますので、ここからはどの数値を選べばいいのかという話に移りたいと思います。
まずは、自分が購入するカメラの仕様を見ます。
ネットで「カメラ名 仕様」と検索するとその手のページが出てきます。
メーカーによって多少書き方は異なるのですが、解像度とフレームレートが記載されている付近に出てくる○○Mbpsという値を見ます。
この値のことをビットレートと呼びます。
このビットレートとV○○の値をみてSDカードを選択しますが、
ややこしい問題が一つありまして、
カメラメーカーの仕様ページに記載しているビットレートの単位とSDカードの速度の単位が異なることです。
適切なSDカードを選ぶにはこの異なる単位をどちらかに合わせる必要があります。
合わせ方は簡単でカメラ側のビットレート値を1/8倍するだけで、カメラのビットレート値をSDカードの単位へ変換することができます。
例えば先のa7S IIIの「主な仕様」ページにある
3840 x 2160(4:2:2 10bit)かつ60pで撮影することを条件とした場合、
ビットレートは200Mbpsとなるので、1/8倍すると25MBと計算できることとなります。
これでSDカードの単位と合わせることができますので、
結果として、ビットレートが200Mbpsの必要最低限の速度はV30であるということが分かる訳です。
④NDフィルター
NDフィルターとは簡単にいうとレンズに付けるサングラスだと思っていただいて大丈夫です。
ここからなぜNDフィルターが必要なのかをカメラの仕組みを織り交ぜながら簡単にお伝えしたいと思います。
カメラの明るさの設定(露出)の一つにシャッタースピードというのがあります。
写真で例えると、被写体をピタッと止めたいのであればシャッタースピードを速くします。逆にシャッタースピードを遅くすると、被写体がピタッと止まらずにブレてしまいます。
動画の場合はこのブレをいい感じに表現することで、一枚一枚の連続する画の繋がりをスムーズに見せることが出来ます。
上記で謳っている「ブレをいい感じに表現する」に適したシャッタースピードの値が、動画の場合1/50であったり1/00であったりします。ここでは数値に関しての詳細は省きますが、お伝えしたいこととしては動画のシャッタースピードは割と遅めだということです。
シャッタースピードを遅くするということは、カメラ側からすると明るいとなる訳です。カメラ側としては明るすぎても暗すぎてもダメで、ちょうど良い明るさに露出を設定したいので、カメラ側としてはシャッタースピード以外の明るさを決める値である「絞り」と「ISO感度」という値に関しては暗くしてバランスを取りたくなる訳です。
しかしながら撮影を続けていくと、ある時気がつきます。
「絞り」も「ISO感度」もこれ以上暗くすることが出来ない場合があると。
そのときに使うのがNDフィルターです。
(すみません↑大分端折ってます・・・)
ここから先、NDフィルターの選び方をつらつらと書いていたのですが、
この記事のあまりの長さに気がつき、別記事にまとめることとしました。
「動画で使うNDフィルターの選び方」は次回の記事でアップしますので、
気になる方をお待ちいただければ幸いです。