タンザニアのハッザ族という狩猟民族と1週間過ごした時のこと

みなさんは、狩猟民族と1週間時間を共にしたことはありますか?

問いかけと見せかけた鬼マウントだ。全盛期の山本KIDぐらい馬乗りだ。流石に無いだろ。

前々回の記事で『北極に行ったときのこと』を書いたのですが、競合居ないよなと思いnote内で検索かけたら全然居たのでした。
今回は居なかった。無二を往かないと、という気概でやっています。

noteを触っていて分かったのですが【3行日記】というハッシュタグがどうやら恒常的に盛り上がっているようですね。
その文脈からいけば、俺の気概は圧倒的にペケくさい。もっとカジュアルな気持ちで臨んだほうが良いのかもしれない。

露ほども思っていない自虐をしてしまった。
すべてを焼き払うようなパトスで以て文章を書くことしか出来ない。どの1文字が誰を着火させるか分からないのだから、俺も吐きそうになりながら、あなたを吐かせるぐらいの筆致を目指す。押忍!

北極もそうだったのですが、所さんの目がテン、という番組のロケで、タンザニアにも行かせてもらったのでした。海外ロケ専門マンになりたいぐらい過酷環境ロケたのしい。

ロケを敢行した2019年当時、移住企画、というシリーズが番組内でありまして。俺はその企画のプレゼンターをやらせてもらっていました。

日本の人気の移住先に赴いて、1週間〜2週間の移住体験を実際におこなう、という、スケジュールがら空き野郎にしか務めれない企画でした。うってつけすぎた。これは王道自虐。ガチ。ガチ暇だった。
暇すぎてハンナ・アーレントの哲学書何冊も読むぐらいには暇だった。自虐で毀損した自尊心を復旧するために、俺はフィロソフィだって摂取してるんだぜ?というステマを差し込んだ。ここまで言うともうダイマだ。

そのガチ暇マン専用企画の夏休みスペシャル回で、アフリカ大陸はタンザニア、ハッザ族という狩猟民族のところへ行ってきた。もちろん、移住体験、という建て付けで。

ハッザ族には肥満体型の人がまったくおらず、どうやらその鍵を握るのはハッザ族の人たちの腸内細菌らしい、なので、金丸もまじに同じ暮らしをしてみて腸内細菌の変化を見てみよう。という、日曜朝7時の番組と思えないハードコアな回だった。

俺は電波少年を見て育ったし、番組は日テレだし、番組Pはかつて電波少年に携わっていたしで、フルコミットガチでロケはおこなわれた。

タンザニア政府の役人も同行し指導を受けながら、ハッザ族コミュニティ近隣エリアにベースキャンプが建てられた。

ロケクルーがめちゃくちゃ美味そうな食事をしている横で、俺はひたすら、ハッザ族と共に捕った野ネズミや、謎の鳥の丸焼きや、血みどろスープを食い続けた。

ひっ捕えた野ネズミを腰に巻く
ハンパじゃねえ匂いのジビエって感じで、
うげげ〜ってほどではなかった
腹減ってたから、なんならうまかった
謎の鳥の丸焼き
網とかねぇし、ガチ丸焼き
調理方法この世で一番かっこよかった
そして激うま
血みどろスープ
ヤギと鹿の間みてぇな、謎の動物の内臓と血を煮込んだやつ
鉄食ったらこんな感じやろな、って思いながら食った
ベースキャンプのロケクルーのメシ
コントラストえぐい
シバいちゃろけ、と思ったよな流石に

なんかいま見返しててもシバきたくなってきたな。
ゆで卵は流石に野ネズミの対極すぎるやろ。野ネズミに対義語があるなんて知らんかったよ。ゆで卵や。
ゆで卵美味そうすぎる。腹減ってきた。

シバきたくなるなんて、空腹ってこわい。人ってやっぱりヒト科の動物なんですよ。
本来ね、ガチ暇マンが海外ロケ行かせてもらって、モノホンの狩猟民族と貴重な時間過ごせてる時点でね、文句言える余地ゼロなのよ。
ひたすら感謝です。

芯から感謝できるとんでもない経験をしていまして。ハッザ族、まあ人としてタフなんです。

日本でいうところの、縄文時代、の暮らしをしている人たちで。弥生時代以降、農耕文化が生まれたので、ハッザ族は農耕なし。狩猟のみ。備蓄なし。その日にその日の食糧のみ。

競争の概念も、農耕文化以降に生まれたらしいですね。備蓄があるから、多い少ないが生まれ、多い少ないがあるから、あそこより多く、もっと多く、が生まれたという。

たしかにそれは目の前のハッザの人たちが証明していて。
拳ほどの大きさもない小鳥も、人の身体より大きい獣も、等しく、コミュニティのみんなで分けて食べていました。小鳥を均等にひとつまみの肉片に分けているのを見た時、すさまじいものを今見ているな、と思った。

他者、という概念があまり無いようにも感じた。
自分という輪郭が自分の指先で終わっておらず、指先にそのまま他者がくっついているような。
農耕文化を持たず、備蓄も無いので、怪我でもしたら明日の食糧に困る暮らし。だからこそ、他者は他者でなく、自分も自分でなく、そのコミュニティがひとつの命、みたいな。真剣ガチクソ共同体。

でも、最強の狩人おじさん、みたいなリーダー格の人、俺たち外部の人間にいいところを見せようとするあまり、インパラみたいな獣を岩場でシャカリキに追いかけすぎて、転んで負傷して膝が4倍ぐらいに膨れ上がってしまっていたけど、翌日には狂ったように飛び跳ねながらまた狩りに出ていた。

ぜんぜん明日の食糧に困らないタフさだ。


ほんとうにハッザ族と同じものしか食べず、1週間を過ごした。
藪に絡まった小鳥と野ネズミ1匹という狩猟成果だったのは非常に申し訳なかったが、毎日狩りに同行していると運動量が異常で、めちゃくちゃ腹ペコだったのでどれだけピーキーな獲物でも全て美味しく食べれた。永谷園のお茶漬けのCMぐらい美味そうに食べていたと思う。
そしてヘトヘトだったのでガチのハッザハウスでも爆睡できた。

ガチのハッザハウス
ここに1週間
起きたらクソでかい蟻塚が顔の横にできてた日があった

背中こそ、背筋1000回やったのかな?というぐらい痛かったが、まじで爆睡できた。

起きて外に出て背伸びをしていると、目の前にはいつもロケクルーのテントがあった。

ロケクルーのテント
タワマンに見えた

このタワマン群を見て、ド腐れ精神の俺は、最初の方こそ、隙あらばシバくぞ〜ぜったいシバくぞ〜、と思っていたが、1週間たった頃には不思議なもんで、俺の方が良い経験したな、あらす、と思っていた。
ハッザの暮らしは、かっこよかったし、たのしかった。

グゥドという、駿足ハッザメン
足速いとモテる界隈の頂点

ハッザの人たち、めちゃくちゃ裸足なのに、ランシュー履いてる我々ロケ隊が全然追いつけない足の速さだった。

ある日狩りに出ていると、ホロホロ鳥という鳥の群れをハッザの人たちが発見し、それを三手に分かれた状態で猛然と追いかけ始めた。
我々も効率よく狩りの様子をカメラに収めるべく、ロケ隊を三隊に分割して追いかけた。

これがもうほんとにデスレースで。
何キロもの距離を、ハッザの人たち、全力疾走するんです。当然俺たちは引き離されるばかりで。

俺は手持ちカメラを持っていたADさんと2人で追いかけていたのですが。
あまりにも引き離され、そして残り二隊のロケクルーも見失い、荒野の中をあてどなく走っている状況に耐えかねたADさんが「金丸さん!大丈夫です!なんかあったとしても、俺が居るんで!」とデカい声で言ってきた。

自分に言い聞かせているだけじゃないか、と思ったし、その子の顔が完全に半泣きだったので、黙って走っとけ、とも思った。

しばらくすると「金丸さん!これ!これヤバいんじゃないですかね!」とついに本音をデカい声で言い始めたので、俺もつられて死ぬほどテンパり、それより遥かにデカい声で「どこにいますかあーーーー!!!!どこにいますかあーーーー!!!!」と叫んだ。

「ここです!」と、ディレクターの声が聞こえた。めっちゃ近くに居た。
「ここですーーーー!!!!」ではなく「ここです!」だった。

恥ずかしかったが、ぶっちぎりで安堵が勝った。
タンザニアでホロホロ鳥とかいう意味わからん名前の鳥を追いかけてたら迷子になって死んだ、という未来より、別隊が思いのほか近くに居て恥ずかしかった、という方が圧倒的にマシだった。

通訳のジョセフはこの話を聞いて爆笑していた。
ジョセフがハッザ語に訳すとハッザ族も爆笑していた。
笑いごとちゃうねん、と思ったが、キリンを倒そうとして死にかけたというエピソードトークをする人たちなので、生き死にがかからないと笑わないのかもしれない。

ジョセフもやばい。
ジョセフはタンザニア生まれタンザニア育ちだが、ハッザ族ではない。
すこし離れたエリアの、ふつうの近代的な街に住んでいる。
ハッザ族コミュニティエリアはタンザニア人も立ち入り禁止なのだが、ジョセフは幼い頃から親の目を盗んでハッザコミュニティに出入りしていたそう。ハッザ、超かっこいい、と思っての行動だったらしい。

あまりに出入りするもんだからハッザの人たちとも打ち解け、ハッザ語まで習得した。
現存するハッザ語通訳者、世界に3人しか居ないとのこと。残り2人は学者さん。野良はジョセフのみ。

ジョセフは狩りもうまい。
落ちていたデカい木の棒をぶん投げて野ウサギに命中させ、気絶させていた。
目の前でそれをカマされて、立つ瀬がなさすぎた。俺は迷子で瀕死になった挙句、ちっこい小鳥と野ネズミしか獲れてないんやから、おとなしくしてくれ、と思った。

キャップのサムズアップ野郎がジョセフ
帰りに立ち寄ったジョセフの住む街
ここには競争がある
俺はガチフルコミしましたよ、とPにおねだりしまくって
無理くり帰りに寄ってもらった国立公園の野生のゾウ
飼育下のゾウと造形が全然ちがう、美しい
腸内細菌調査用の検査も終わり、
ようやく帰国前に食べた現代食、カボチャスープ
泣くほど美味くておかわりした
今見たら全然おいしくなさそう、からし酢味噌みたい


帰国後の調査で、俺の腸内細菌にはまじに劇的な変化があり、ハッザの食生活はめちゃくちゃ素晴らしいということも判明した。
食生活どうこうじゃなくて、運動量死ぬほど多くて肥満体型おらんだけなんとちゃうんかい、と勘繰っていた俺は愚かだ。


未だに、ハッザ族のことを日常でたとえに出しまくるし、ほんとうに思い返すことが多いほどには、得難い経験をさせてもらいました。管理通貨制度の存在しない世界をこの身で知った衝撃は、未だ深く刻まれている。

コロナ禍初期、東京にて緊急事態宣言、の時とか、ハッザのことばっか考えてたな。
テレビ見てたらインタビュアーが「満員電車乗るの怖くないですか?」って聞いてて「怖いですけど、乗って会社行かないと家族食わせれないんで」って返答してるの見たとき、しなる木の枝とカモシカのアキレス腱でつくった弓があればハッザはなんでも獲れるのになあ。とか、考えてた。

かつては持っていたのに無くした能力、ゾッともするが、まあ、等価交換!
俺は弓ではなく、親指フリック入力noteでアテンションを獲りにいくんじゃい!YEN TOWNに生きとんじゃい!

そして【またとない夜】シリーズ第5夜の『シン劇団員の金丸を金丸自らお披露目する夜』が直近の俺の狩り場だ。獲るのは何だ。アテンションか?マネーか?心か?
ぜんぶだ!

こういうイベント

ご挨拶!俺モクにこだわらない!
これはほんまギリチョン狙いたいけど
ヨーロッパのコードはみ出したら退団なので日和ってる
コントはもう完成してま!
これはイベント発表時のやつなのでね
激ゆる状態で爆笑してほしいことには変わりない
さらりと喋ったとしても長くなりそうなやつ
ドキドキする、こわい
メンバーにめんどくさがられてないかもビビってる
なんか、貰ってほんのり嬉しいもん、渡したりもする!


このnoteを書いている時点で残席1!
なので俺はもう2週間アーカイブが観れる配信チケットを売るモードに入っている!

配信チケット買って観たくなるような販促しまくるので、俺のXInstagramも、ついでに何故か俺の漫画Instagramもフォローしておいてくださいね。

狩るぞ狩るぞ〜、と言いながら狩るタイプの、気配を隠しもしないド低能狩人だ。
シンプルに、イベントを賑々しく楽しいものにするべく、日々内容をギチギチに詰め込んでいます。なので、たまには気配プンプンの奴に狩られるのもいっか、と思って観てね。

次回投稿日の3/1(土)はまたとない夜の翌日。次に絡める告知はリプリーか、それとも別の何かか。
俺はどんなトピックからでも荒技で告知に持っていける特殊能力があるので、最も告知と絡めづらそうな題目にしてみましょう。誰にも求められてもいないし、ずっと空中に喋っている感じになっていますが、そんな感じでやってきた俺です。
というわけで次回は『ひとつイベントをうつ、という裏にはこういうフローがある』です。

綺麗なフリオチだ。綺麗なフリオチだ、って自分で言ってるやつ、終わりだ。
ゴリゴリに今回のまたとない夜の興行の裏側を綴り、ほえ〜なるほどそういう感じなのね〜ちょっと観てみよっかな〜、で配信チケットをポチってもらうためのnoteにします。明け透けプロセスエコノミーだ。

汗と涙を綴って同情を狩るのではなく、血と奇天烈を綴って魂を狩るさ。
来週のnoteも、またとない夜も観てね。さいなら!

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