#4食事記録『耳に棲むもの』【ネタバレなし】VRアニメーション

はじめに

認知度低いだろうけど、発表時から気になってた作品。
まずは、作品を知らない人に興味を持ってもらえるように制作陣を紹介。

監督:山村浩二
原作:小川洋子
メイン声優:岡⽥将⽣、川口調
映画祭のことは詳しくないけれど、いろいろな賞に選ばれているようです。

さて、映画祭コンペのために製作され、当時は一般公開の機会はあるのか分からなかったのだけれど、今年の5月から、数少ないXRコンテンツ施設「NEUU」にて上映が始まった。

あらすじ

少年は孤独であった。少年は穴を掘り、そこで見つけたもの――たとえば朽ちたバネや瓶王冠などを拾っては、クッキー缶の中に収集していた。彼の耳には4人の音楽隊と、2匹のエビが棲んでいた。少年が涙を流すと、音楽隊は音楽を奏で、エビの踊りは彼を包み、少年の気持ちをなだめた。少年は彼らへ感謝の意を込め、クッキー缶を耳元でカシャカシャと振る。孤独と共に成長した少年は、やがて大人になる――。

感想

小川洋子さんファンとして見た。言葉で表せない、頑張るけど、鑑賞してもらうのが一番だとは思う。

真っ先に思うのは、当たり前だけど作品形態によって、得意な表現方法がある。悪い意味じゃなくて。鑑賞者の存在意義、没入感、語り手の変化、VR作品ならではを身をもって体験できた。

「NEUU」のスタッフさんと話すとお客さんによって作品を見るきっかけが特にばらばらだそうで。監督であったり、声優であったり。物語の地の文はナレーターの声を十分に堪能できる。声優さんのファンにはたまらないと思う。

ストーリーはザ小川洋子さんって感じ。大好物。慣れない人にとっては違和感があるかもしれないと思った。今まで文章として取り入れて優しく頭の中に浮かんだ小川洋子の世界が視界いっぱいに手で触れられる世界として誕生する。アニメーションからはほんの少しだけ歪さ、不気味さも感じさせられて、現実を離れ、物語に没入できる。

文字として原作も読ませてくれ~~~って強く思う。

初のVR作品で、ドキドキと共に鑑賞して、すごくいい時間だった。これが一人一台あって、作品形態として確立されたら、まだまだ経験したことのない想像もできない物語、作品が生まれまくることが楽しみでしかたない。

蛇足

帰り道『ソウⅩ』の情報を見かけた。それこそ蛇足になりそうであれだけどそれでも楽しみなものは楽しみ。

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