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忠臣蔵ゆかりの地へ/落語「淀五郎」
次回、2025年1月24日(金)の「志ん輔と仲間たち」の落語の演目「淀五郎」は歌舞伎・忠臣蔵を題材にした芝居噺です。
歌舞伎や忠臣蔵について、簡単にでも予備知識があると、より楽しめる方もいらっしゃるかと思いますので、スタッフが忠臣蔵ゆかりの地を巡ってきました。
まず最初に「淀五郎」「忠臣蔵」の概要を記したうえで、ゆかりの地をご紹介します。
落語「淀五郎」とは
江戸時代の歌舞伎の世界を舞台に、若手役者の成長と葛藤を描いた名作の古典落語。
あらすじ・・・・市川座で「仮名手本忠臣蔵」が上演されることになったが、塩冶判官役の役者が急病で出演できなくなる。座頭の市川団蔵は若手役者の淀五郎を抜擢することに。淀五郎はこのチャンスを掴み精一杯練習するが、いざ本番となると緊張のあまり演技が上手くいかない。塩冶判官が切腹するシーンでは、大星由良助役の団蔵がわざと舞台から姿を消し淀五郎を一人にするなど、試練が待ち受けてる..…。
☆淀五郎が様々な難を乗り越え、成長していく様子が描かれている噺です。
※歌舞伎界は古くから厳格な階級制度が存在し、当時は次のような階級でした。塩冶判官役は最高階級の「名題(なだい)」が演じる役柄で、「相中(あいちゅう)」の淀五郎には本来振られることのない役柄です。
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「下立役」→「相中見習」→「相中」→「相中上分」→「名題下」→「名題」
・階級は時代や演じる噺家により異なることがあります。
・現代は「名題下」と「名題」のみ。
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忠臣蔵とは
江戸時代中期の元禄赤穂事件を題材にした物語で、人形浄瑠璃や歌舞伎の演目として多くの人々に親しまれてきた。
赤穂事件・・・・元禄14年(1701年)、江戸城松の大廊下で、赤穂藩主・浅野内匠頭長矩が、江戸幕府で要職を務める・吉良上野介義央を切りつけた事件。この事件を発端に、浅野家家臣たちは主君への忠義を貫き、吉良上野介義央の仇討ちを計画する。
忠臣蔵の主な登場人物
吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)
江戸幕府の重要な地位を占め、幕府と朝廷の間を取り持つ重要な役職である高家肝煎を務めていた。江戸城松の廊下では「浅野内匠頭」に刃傷に遭い、後に赤穂浪士によって討ち取られた。
浅野内匠頭長矩(あさの たくみのかみ ながのり)
江戸時代の武士で、播磨赤穂藩の第3代藩主。吉良上野介に刃傷(にんじょう)に及び、切腹させられた。
大石内蔵助(おおいしくらのすけ)
播磨赤穂藩の家老で、仇討ちの計画を立て、47人の家臣を率いて吉良邸に討ち入りを果たした。冷静沈着なリーダーシップで知られている。
1.松の大廊下跡(皇居)
1701年(元禄14年)吉良上野介が浅野内匠頭に切りつけられた事件のあった場所が、かつて江戸城内に存在した松の大廊下です。
松の大廊下(跡地)へ行くために、まず皇居の東御苑から大手門へ向かいます。
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立派な大手門です。
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松の大廊下は本丸跡の西側に位置しています。
大手門から5~6分ほど歩いたところに(地図の赤丸付近)あります。
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松の大廊下跡に到着しました。
現在は松の大廊下は存在せず、あるのは石碑と案内看板のみになります。
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松の大廊下
本丸御殿の大広間から将軍との対面所である白書院に至る約50メートルの長さにわたって続いている廊下で、江戸城の中でも特に格式の高い場所でした。廊下の襖に松の絵が描かれていたことから、「松の大廊下」と呼ばれるようになりました。
切りつけを行った浅野内匠頭は即座に捉えられ、将軍・徳川綱吉によって切腹を命じられます。
浅野内匠頭はその日のうちに「陸奥一関藩 田村右京大夫建顕の上屋敷」に運ばれるのですが、その際、護送は平川門を通っていったそうです。
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平川門は本丸大奥に通じる奥女中の通用門だったため別名「お局門」、場内の死者や罪人などの出口とされていたことから「不浄門」ともいわれます。
毎日新聞社のある竹橋駅近くにあります。
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次に目指すのは、浅野内匠頭が切腹した地です。
2.浅野内匠頭終焉の地(新橋)
まず、新橋駅へ。
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新橋駅のSL広場
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駅から歩いて5分程の場所が目的の浅野内匠頭終焉の地です。
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新橋なので居酒屋など雑居ビルが多くある道を抜けていきます。
途中、坂本龍馬の写真がかけらているビルを発見。
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日比谷通り沿いに歩いていくと見つけました、浅野内匠頭終焉之地と書かれた石碑と説明看板です。
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田村右京太夫の上屋敷で切腹が行われることになりましたが、田村右京太夫は、浅野内匠頭の親戚筋にあたる人物で、切腹の際に付き添ったそうです。
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「風さそふ花よりもなほ我はまた春の名残を如何にとやせん」
風に誘われて散る桜の花よりも儚く散っていく私は、この世の名残をどう留めればよいのだろうか、という意味が込められています。
近くには「切腹最中」という変わった和菓子を販売しているお店がありますが、撮影時は日曜・店休で購入できませんでした。
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一度新橋駅へ戻り、昼食休憩として新橋駅構内のお蕎麦屋「かのや」さんへ。
お店の看板メニュー「かのや」に海老天をトッピングしました。
麺は生蕎麦で、汁も濃すぎず美味でした。
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腹ごしらえをした後は、忠臣蔵の聖地といわれている「泉岳寺」へ。
3.泉岳寺
浅草線で「泉岳寺駅」へ。
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「泉岳寺」は駅から徒歩3分ほどですぐ着きます。
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赤穂義士たちを連れた際の仇討ちのリーダー・大石内蔵助の像
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泉岳寺は、浅野内匠頭とその夫人・瑤泉院、そして仇討ちの後に切腹した大石内蔵助を指導者とする「赤穂義士」47人の墓がある寺として知られ、「忠臣蔵の聖地」と呼ばれています。
赤穂浪士たちは、吉良上野介を討ち取った後、浅野内匠頭の墓前で報告し、その後切腹しました。
泉岳寺は赤穂義士の終焉の地としても知られています。
泉岳寺駅の近くにはJRの「高輪ゲートウェイ駅」が新設されています。
大きな駅に周囲には大きなビルが立ち並び、この地に眠る赤穂義士たちも驚いているかもしれません。
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最後に「吉良邸」へ向かいます。
4.吉良邸跡(両国)
目指すは相撲で有名な「両国駅」です。
国技館などがならぶエリアとは反対側に向かいます。
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両国小学校の近くです。
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駅から歩いて10分弱で着きました。こちらが吉良上野介義央の邸宅のあった場所です。ここで上野介は赤穂義士に討ち取られました。
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現在邸宅は無く、本所松坂町公園として整備され、上野介の像や邸宅見取り図、上野介を祀った稲荷神社が残されています。
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他にもまだまだあるのですが、辺りも暗くなってきたので、ゆかりの地めぐりはここで終えたいと思います。
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なお、今回はアクセスの都合で泉岳寺の後に吉良邸へ行きましたが、赤穂義士たちは吉良邸で仇討ちをしたあと、泉岳寺へ向かったそうです。
写真で色々紹介してきましたが、次回1月24日(金)の志ん輔と仲間たちの演目は「淀五郎」ほか二席を予定しています。
淀五郎は演じる側も歌舞伎の知識や演技力が無いとでいない難しい演目といわれています。見逃し配信で2月2日まで視聴できますので、ぜひ配信の落語をご堪能いただけましたら幸いです。
第46回志ん輔と仲間たち概要
開催日時 2025年1月24日(金)19時~20時30分
※見逃し配信:~2月2日(日)23時59分まで
出演 古今亭志ん輔、江戸家まねき猫(ゲスト・ものまね)
視聴料 1500円
主催 毎日新聞社、毎日企画サービス
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