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音楽鑑賞日記 バルトーク弦楽四重奏曲第五番

弦楽四重奏曲が大好きだ。
ハイドンから始まって、モーツアルト、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルゾーン、ブラームス、サン=サーンス、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、グリーグ、ヤナーチェク、ドビュッシー、リヒャルト・シュトラウス、シベリウス、シエーンベルク、バルトーク、コダーイ、ストラヴィンスキー、ベルク、ケージ、武満徹、三善晃、そして創らなかったバッハも。

嫌いな弦楽四重奏曲を探すのが難しい。もしかしてそんなもの無いのかもしれない。

指揮者も居ないのに、四人の感情や心が一つになって創り出されるあの緊張感がたまらなく聴くものの胸を撃ってくる。

中でもバルトークの第五番は聴くたびに心が揺さぶられる。
何かに怒りをぶっつけた様な音の躍動から始まり、やがて切ない旋律に変わっていく。それは一九世紀後半から二十世紀にかけての戦争の時代に反駁する哀しみにさえ聴こえる。

もしバッハの時代に弦楽四重奏曲という形式が存在していたならば、この第五番のようなものをバッハが創りはしなかっただろうか。
あの無伴奏チェロ組曲第五番の、現世の悲しみをうたう響きを連想させるからに違いない。

ハーゲン弦楽四重奏団

ハーゲン弦楽四重奏団のCDは二十年ほど前に購入したものだが、今でもよく聴いている。
若さにみなぎる演奏がたまらなく好きだからだ。

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