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うつの私が読みたいうつ対策本と、病院の探し方

以前にも書いたが、私は基本的に自己啓発本が苦手である。
私にとって本は“娯楽”。読んで「面白い」と思ったものにしか興味が無いのだが、うつ状態が酷く外出が出来ない日が何年も続くと、そうも言ってられないのが現状である。

というわけで、うつ対策本を買おう、と本屋に出向き、該当するコーナーに行ったのだが、何て言うか、こう…本音を言うと
「えー、つまんなさそうー」
だった。該当する書物は豊富にあるのだが、こう、買うぞ、て気にならない、というか。始終困り眉で何とか選んだのがこちらの本。


図解ストレス解消大全:堀田秀吾(SB Creative)
心療内科医が教える本当の休み方:鈴木裕介(アスコム)
ウルトラ図解 うつ病:野村総一郎 監修(法研)
あなたを疲れから救う休養学:片野秀樹(東洋経済)

金額6,493円。高い!と思ったが、本来、専門家から情報や知識を得るにはそれなりの出費が必要なのである。ネットで麻痺してるから気付かないだけで。全部は読み切れてないが、必要に応じて徐々に読み進めようと思っている。

思ったのだが、うつを患ってる時に、がっつり本を読もう、て気になれる人っているんかな。私の場合は無理だった。好きな作家の新作すら読む気にならないのに、元々苦手な自己啓発系の本なんか読めるわけもない。
唯一読めたのが、「自殺のコスト」(雨宮処凛 著)。これだけは楽しく読めた。この人の文才がそうさせたのもある。


私がこの4冊を選んだ基準がこれだ。

  • 装丁がシンプル。または目に優しい

  • 目次から気になった項目を探して読める

  • ひとつの項目が2~3ページと短く、要点がまとめられている。

  • 余計な装飾や演出が無い

  • 分かりやすい図解(イラスト)付き

  • 科学的根拠に基づき、解説が述べられている

  • くせのない文体で書かれている(個人的にとても重要)

よくある「うつエッセイ」は、著者の自己紹介などパーソナルな部分や、その人の絵柄、文体で書かれていることが多いが、うつにある症状の“他人や物事に興味が持てない”と相反しているので個人的には却下。
例外が「うつヌケ」(田中圭一 著)。著者が有名な漫画家だけあって絵が上手く、コマ割りが上手でテンポが良くて面白いし、著名人のうつエピソードをインタビュー形式で書かれているのが良い。
正直、知らない人のうつエピソードって興味持てないのよね。ああいうエッセイ系は、うつを知らない人に向けての本とか、共感性の高い人向けだと思っている。
ブログなどで無料で読む分にはいいが、金出して買うのは躊躇うなあ。

あと「○○でうつが治る!」みたいな眉唾もの。確かに
セロトニン(脳の過剰な興奮や不安を抑え、心身ともにリラックスさせる効果をもつ神経伝達物質)
の分泌を促す食べ物はあるし、筋トレや有酸素運動で、
エンドルフィン(脳内麻薬、と呼ばれる神経伝達物質の一つ。多幸感をもたらすと言われる)
やセロトニンの分泌を促す、という方法はありだが、これらはあくまで、症状を軽くする補助療法みたいなもので、うつそのものががっつり完治されるわけではない。
重度のうつ状態だと、まず運動する気にもなれないし、食事も進まない人もいる。希死念慮が強く、今すぐにでも「死にたい」と思ってる人には不向きというか、そんなもので間に合わない。早く病院に行きなさい。

そういう意味では「薬なしでうつ病が治る!」て言い切る系の本も個人的にはおすすめしないな。これは、早期にうつ状態が発覚した時に用いられる方法だと思っている。うつ症状が出ているのに無理して働いて、ストレスのキャパシティが超えて、感情がコントロール出来なくなったり、朝ベッドから起き上がれなくなったり、外出が出来ない状態になったら、精神科か心療内科に行って薬を処方してもらった方がいい。

薬が嫌い、苦手って人は多いと思うが、抗うつ剤などの精神薬って、セロトニンや、
ノルアドレナリン(神経伝達物質の一つ。交感神経に作用。足りないとやる気や集中力が欠け、過剰になるとパニック障害を起こす)
の分泌を促すように作られているので、症状を抑える手段として非常に効果的だと思っている。効果を感じられるのに一週間はかかり、人によって相性があったり、眠気や太りやすいなどの副作用があったりと多少のリスクは伴うが、そのリスクを負ってでも飲む価値はあると思っている。
うつは心の病気、とよく言われるが、実際は脳の神経伝達物質の異常によるものなので、主治医に相談して薬を処方してもらうのが一番ベストだと思う。
ただ、薬も飲み続けると、薬を処理する肝臓や腎臓に負担がかかるのは事実なので、定期的に健康診断を受診した方がいい。お薬手帳の常備も必須だ。

基本的には、症状に合わせて増薬や減薬を考えながら通院することになるのだが、一度に複数の心療内科に通ってその都度、違う薬局で薬を処方してもらい、それらを一気に服薬すると、
副作用で過剰反応が出てしまうケース
〈私の場合、二つの心療内科でいろんな抗うつ剤を処方してもらい、全て飲んだ結果、“アカシジア”(主に抗精神病薬による副作用で「落ち着かずじっとしていられない」、「手足がムズムズする」といった症状が生じる)を発症した〉
があるので、通院する病院はひとつに決め、治療法などに納得がいかなければ別の病院に変えること。精神系の薬局はひとつに決めること(薬剤師とコミュニケーションが取れ、患者の副作用や効き目を確認することができる)。

時間に余裕がある場合や、腎不全の可能性を考えるのなら、心療内科より大きな病院の精神科を勧めたい。病院の精神科に初めて受診すると、まずは採血をして、貧血の有無や、腎機能、肝機能の数値を出し、そこから患者に合った薬を処方してもらえるのでより安心だ。いざという時は主治医に紹介状を書いてもらい、院内紹介という形で別の科も受診できるので、他の機能にも不安を抱えてる人にお勧めだ(必ずしも紹介状を書いてもらえるわけではないので注意)。

症状を抱えながら一般勤務をしている人はどうしても、夕方も受診できる心療内科が有効なのだが、口コミで評判の良い心療内科は1か月以上の予約待ちが発生するので、難しい所である。私も、病院を変えようと思って別の心療内科に電話をしたのだが、予約待ちに3か月かかると言われて諦めた。もちろん3か月も待たなくても受診できる心療内科はあるので、自分に合った病院を根気よく探してほしい。


普段からストレスとうまく付き合い、気の病まない生活を送るのが一番の薬だな。今回紹介した本を参考にしてストレスと上手に付き合ったり心身を休める方法を見つけてもいい。うつは一度なったら本当に厄介なので、そうなる前に手を打って欲しい。ブラック企業に勤めてる自覚があり、今にもうつになりそうな君。経歴に傷がつくとか自分が抜けたら同僚が、とか言ってないで早く転職しなさい。体は資本。病気になったら元も子もないぞ。



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