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【第5回県民意見交換会】「私たちが考える理想の『学びの環境』とは」が実施されました。

2023年12月6日に軽井沢風越学園にて
第5回信州学びの円卓会議県民意見交換会が実施されました。
本記事では、その概要をお伝えします!

より良い「長野県の子どもたちにとって最適な学びのあり方」について幅広く検討していくために、本県民意見交換会に参加いただけなかった皆様からも、本テーマに関する意見や想いを募集しております。
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実施概要

実施日程 :令和5年12月6日(水曜日) 13時30分~15時30分
場所 :軽井沢風越学園(長野県北佐久郡軽井沢町大字発地1278-16)
参加者 :計48名
・信州学び円卓会議運営委員会委員5名
・参加者43名(風越学園の子ども、教員その他の教育関係者等)

テーマ :「私たちが考える理想の『学びの環境』とは」

■タイムテーブル
13:30~13:50: 開会、意見交換会の趣旨説明、委員紹介
13:50~14:20:アイスブレイク
14:30~15:05:グループワーク
 問い①「私の理想に近かった学びのシーンとは。あれが良かった!」
 問い②「私達が考える理想の学びの環境って?」
15:05~15:25 全体共有
 問い「長野県で広がってほしいこと、私たちがチャレンジしたいこと」
15:25~15:30 閉会

当日の様子は下記youtubeにて公開しております。↓

グループワーク
全体集合写真
当日の議論に関するグラフィックレコーディング

■意見交換会に共有された主な意見

《私の理想に近かった学びのシーンとは。あれが良かった!》

人との関わりの中で何か成功した体験を得られたとき
・教わっていたファシリテート技術を用いて初めて場をまとめたとき。
・子ども同士で対立が起きたときに、全員で話し合って妥協案を見出した。  子どもだけでも話し合いで課題を解決できることを実感した。
・長距離の遠足を行った際、子ども達が保護者に働きかけて、休憩所の提供 を取り付ける等自ら交渉をしたとき。

子ども達が自由に自分のやりたいことに取り組めているとき
・運動会では入場時の整列もなく自由に出てきていて、各種目への参加も自由だった。
・自分の中から自然に出てきた発想が、そのまま学びに繋がることが理想だと思う。
・子どもが物や学び等、何かを自ら選び取ること。そしてその選び取ったものを自分なりに探究し、さらに良いものにしていこうとする姿勢が理想の学びの姿。
・教員一人ひとりが好きな講座を開き、子どもが自分で学びたい講座を選べる学校にいたとき。特定の分野しか選ばない子も出てくるが、子ども同士の比較が生まれない。
・全員一律で同じ授業を受ける必要はないと思う。
・自分がやりたいことに挑戦できる環境が大事。

安心安全の環境で本心を話すことができたとき
・教員が言うことは絶対で、学校は行かなければいけない場所ということではなく、子どもが思っていることを否定しない、肯定して寄り添うことが大切だと大人になってから知った。
・一斉一律の教育では教員が話しているときに発言や質問をすると、授業を妨害する子という印象になり、思ったことを言葉に出せない雰囲気になる。
・公立学校に通っていた時は、皆で足並みをそろえる環境のせいで学びが嫌いになった。子どもが自分の気持ちを大切にし、発言できるという環境はとても大事。

《私達が考える理想の学びの環境って?》

様々な人やものと出会い、実際に触れて学ぶことができる環境
・学ぶ場は学校という敷地の中だけでなくてもいい。博物館に行きたいときは、「今日は博物館に行って学ぶ」と自分で決めていいし、どこでも学びの教室になる。
・知識の詰め込みだけではなく、実際に本物に触れ、実体験にすることができる環境。
・年齢、言語、性別等にとらわれず、様々な人が自由に交わり、学ぶことができる環境。
・様々な考え、背景を持った大人がたくさんいる環境。自分の考えをしっかり持って生きている大人に出会うと子どもの視界も広がる。
・風越学園のように、「学校」という枠に収まることなく地域と繋がることで、様々な経験を積んだ大人から学べることが多くある。
・「大人」ではない大人がいる環境。昔は、大人は全員しっかりしていて子どもとは全く違う存在というイメージがあったが、子どもの視点や柔軟な思考を持った「大人らしくない」大人がいる環境が理想。

安心安全で、自分を受け止めてもらえる環境
・「そのままの自分」を否定せず受け止め、尊重してくれる人がいることで安心できるし自分に自信が持てる。
・小さい頃は自分に自信を持っていたし、自分の存在を肯定的に捉えられていた。
子どもは元々そういった性質を持っているのに、他人が作った枠にはめられることで自信を失ってしまう。

やってみたい事に挑戦でき、何度でも失敗できる環境
・やりたい学びを自由進度で進めることができる。
・自分の「好き」を見つけられる、突き詰められる環境。
・失敗を責めない、気持ちの方向転換を認めてくれる、そのように子どもの選択に伴走してくれる大人がいる環境。
・学年で区切らず、異年齢の子ども同士が一緒に学べる環境。

比べられない環境
・自分と他人とを比較して何が優れている、劣っているということではなく、自分には自分の素晴らしさがあると感じられる環境。
・同じ学年の子どもだけでは成績やスポーツで比較が生まれる。異年齢の子どもとの関わりの中では比較は生じない。
・勉強は楽しくて好きだが、テストの点数等で他人と比較されると苦しくなる。

入試の評価が多様な環境
・得意な分野で評価される高校入試。
・学力を数値で測るより、「何を」学んだのかを見てくれる入試。
・筆記による入試だけではなく、プレゼンなどを用いて自己PRをできるなど、方法を選べるといい。

適度なルールと、フラットな大人‐子どもの関係性がある環境
・「教員」「生徒」という立場に縛られず、フラットな関係でいられる環境が理想。
・子どもも理想の学校を創る担い手の一人という感覚
・教員が自由に学びづくりをしていくためには、保護者は「監視者」ではなく「協力者」になることが必要。
・全くルールが無いと無法地帯になってしまうので、最低限の約束事や道しるべを全員で考えて決めることが大切。

《長野県で広がってほしい環境、私たちがチャレンジしたいこと》

多様な人やものと関わって学べる場
・学年で区切るのではなく、子どもからお年寄りまでが混ざり合って学ぶ多様な場。
・関わる大人は教員だけではなく、地域の方も含め様々な大人がいることが理想。
・机や椅子、教室等の学びの空間も画一的な形ではなく、様々な形、配置で自由な空間であることが望ましい。
・一人でも学べることを、あえて集まって他人と関わりながら学ぶことで、お互い新しい刺激を受けることができるということが学校に来ることの意味。

やりたい事を選んで挑戦できて、失敗できる場
・自律的に選択ができ、探究できる環境。
・学びの場を限定しない。どこでも学びの場になる。
・失敗も受け入れることができる、挑戦をサポートする環境。

一人ひとりが本音で話せる場
・自分の気持ちをありのまま語れる場が、学校の内でも外でもどこでもいいので、より多くあるといい。
・少数派の意見を蔑ろにしないこと。単純に多数決で決めるのではなく、たとえ採用されなかったとしても全ての意見を尊重する姿勢が重要。
・そうすることで、別の場でも少数派の意見の人を受け入れられるようになる。その連鎖ができる。
・話し合いをする時には相手の言葉をすぐに否定するのではなく、一度「全肯定」をすることを長野県の文化にする。どのような意見も自分事として考えることが重要。
・大人が決めたことに子どもが従うのではなく、全員が当事者となって考えることで、納得感を持つことができる。

自分の「得意」がより評価される高校入試
・内申点や調査書のみを重視するのではなく、他にも自分の得意なことをアピールする方法があることが理想。


「大人」と「子ども」の関係性を見つめ直す
・両者がよりフラットな関係で向き合える環境が大切。
・子どもを支配するのではなく、信じることや見守る力を大人の中に育む。
・子どもも大人も固定観念を捨て、新しい価値観や環境に飛び込む。

学びに余白を持たせる
・本当に必要な校則は何か、もう一度考え直す。
・教員が分刻みでスケジュールを作って、子どもに勉強を詰め込んでいる環境では、本当の意味では身につかない。

一人ひとりが学びやすい環境(ハード)を整える
・画一的な教室、机、椅子で学ぶのではなく、空間も自由でいい。リラックスして学べる空間と、集中して学べる空間の両方があるといい。

《まとめ》

・子どもも大人も、誰もがあらゆる可能性を持った存在であり、その可能性を広げるためにはお互いが固定観念を捨て、新しい考えや価値観を受け入れていくことが重要。
・学ぶ場所は学校の敷地の中だけでなくていいし、学ぶ内容を学年で区切る必要もない。「学び」を子どもが自ら選択できる環境が、真に身につく学びに繋がる。
・大人が思う「理想の子ども」を強要されるのではなく、そのままの自分を肯定し受け止め、尊重してもらえるという経験が子どもにとっての安心・安全や自己肯定感の向上に繋がる。
・内申点や調査書のみを重視するのではなく、自分の得意な分野や方法でアピールできる入試制度が必要。
・理想の「学びの環境」とは大人が決定して子どもが従うというものではなく、大人と子どもがフラットな関係でお互いに考えを共有し、尊重しあいながら一緒に創り上げていくもの。

■当日参加者について

アンケートより一部抜粋

・大人もアップデートしながら、色々にチャレンジし続け、子ども達とエンパワーメントしあえる仲間でありたい、と強く感じさせてもらいました。
・「立場や大人こども関係なく、自分の考えを安心して言えるように」という意図が随所に感じられる会でした。
・こういった会への参加者が、さらに多様さを増し、現場の先生方や子ども達を巻き込んで自主的に広がっていくと良いと思いました。

一緒に、「長野県の子どもたちにとって最適な学びのあり方」を考えませんか?

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

今後もより多くの皆さまと幅広く検討、そして実現へと向かうために本会のような県民意見交換会を始め色々な施策を検討しております。
詳しくは県のHPをご覧ください。

また、本県民意見交換会に参加いただけなかった皆様からも、本意見交換会で扱ったテーマを中心に意見や想いを募集しております!

本アンケートの内容は今後の円卓会議等の場にて委員へ共有されるほか、
整理・分析したものをHP等にて公開すること等を通じ、
関係する様々な主体における取組や県民全体の機運醸成に
繋げたいと考えております。

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